自分は女 ページ3
「あの!」
一仕事を終え、休憩にコーヒーでも飲もうと近くのカフェをスマホで探していると、不意に声を掛けられ画面から目を離す。
そこには頬を赤く染めた二人組の女の子達が立っていた。
『はい…?』
これは男と間違えられて逆ナンされるパターンだろうか。
過去に四、五回ほど同じようなことがあったものだから余計に警戒してしまう。
「私たちと一緒に遊びませんか?」
やはりこうなるか。
息を吸い、感情を抑えながら、
『ごめんなさい…自分、女です』
そう言うと先程まで赤く染っていた顔はみるみる青ざめ、何も言わずそのままどこかへ行ってしまった。
これだから男に間違われるのは嫌なんだよな。
モヤモヤした気分を晴らそうと、ポケットにしまったスマホを取り出しもう一度カフェを探そう思った丁度その時軽快なリズムでスマホが鳴った。
『はい、もしもし吾野目です』
「あ!もしもしAちゃん!実は冴ちゃんがね…」
『はい…』
嫌な予感が頭を過ぎる。
「スペインの便…キャンセルって…」
案の定、それはバッドニュースだった。
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作者名:顎太丸 | 作成日時:2023年1月2日 11時