【テニプリ】想い知らずな君

8.嫌悪 ページ9

第8話



屋上って今の時間開いてるのかな？

鍵がかかってる可能性もあるよね




ガチャ




「よかった！開いてる！」



心地良い風が吹いてる。

えっと…ボールは…



「あれ？ない…」



目を凝らして探してるけれど見当たらない。

屋上に落ちたはずなんだけど…






「鈴木さーん！ボールあったかー？」





この声は白石くん！

フェンスに駆け寄り下を見ると、白石くんが手を振ってる




「ないよーー！」






その時


ガシャと頭の上から音がした








「探し物はこれ…やろ？」



「ひっ!!」



聞きたくなかった声。

思わず振り返ると案の定そこには



「千歳…」



「昨日振りばい」



「……」




気づいてたのか。


逃げたいのに逃げれない

千歳とフェンスに挟まれて動けない

息苦しい




「…なして顔見せてくれんと？」



「やめっ…！」



千歳の手が私の頬を撫でる

鳥肌が立つ。気持ち悪い。



「こっち向いてほしか」



「馴れ馴れしく触んないでよ!!」




「!!」




千歳を突き飛ばすつもりでドンッと押した

よろめいた千歳の身体の隙間から驚いた顔をしている白石くんが見えた





「白石くん…！」



「 ﾁｯ) 何しに来たと？白石」



「鈴木さんの悲鳴が聞こえたから来たんや。
お前やったんか、千歳」



「俺はボールを渡そうとしただけばい」



「…ほんまにそれだけか？
鈴木さん、泣きそうな顔しとるで？」



「何もしてなか。ね？A^^」



「う、うん…」




その作り笑い

私にはバレバレ

目が笑ってない





「そんなに睨まないでほしか」



「…白石くん、早くコートに戻ろ」



「お、おん」







______________ 最悪。

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