【テニプリ】想い知らずな君

31.悲涙 ページ32

第31話



｢食堂に集合って事は晩御飯？」



｢そうやろな｣



｢よっしゃー！白石！行くで！｣



｢ちょ、金ちゃん!!｣




あらら…金ちゃんに引っ張られて行っちゃった

お腹空いちゃったし私も行こう




「A」



「なに」




いつの間に私の横に立っている千歳

少し距離をとると近づいてくる




「近いんだけど」



「なして距離とると？」



「なんとなく」




すると突然目の前が真っ暗になった

ふわりと香る千歳の匂い


……抱きしめられてる？




「やめてよ！」



「さっきはごめん」



「っ…許すから！離して！」



腕から抜け出そうとするが抜けられない

少し痛い



「…お願い 嫌いにならんで」



「…！」




声だけで分かる

……泣いてるの？




「…なんで泣く必要があるのよ」



「っ…Aにはバレバレばい」




頭をぽんぽん、とすると千歳は身体を離した


目が潤んでる




「…ごめん」




そう言い背を向ける千歳





千歳が最後に見せた顔に何故か心が傷んだ

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