コーラ、嫌いなんだね ページ2
＜ＴＨside＞
次の休み時間、隣の教室を訪ねた。
「ねえ、Aさんって人いる？」
クラスの女子がざわつく。
「お〜い、A。呼ばれてっぞ！」
その声で、教室の奥にいた君が顔を上げる。コーラ色のポニーテールを揺らしながらこっちに来る。
「はい、私ですか？」
なんだか不愛想な君にちょっぴりイラついた。
初対面だし、女子が怖いし、仕方ないけど．．．
「うん、君だよ。ちょっと聞きたいことあるんだけど、放課後暇？」
「いいえ、忙しいので。ここじゃダメなんですか？」
強気なところまで、コーラみたい。ほら、コーラって炭酸わりと強めでしょ？
「う〜ん．．．じゃあ、明日の昼は？」
「全然暇じゃないので。」
うわ。全然のってくれない。こんな女子、初めてかもしれない。
それに、この感情も。悲しいとか、嬉しいみたいなラベル付けができない。
心がシュワシュワする。コーラ飲んだときみたいに。
まあ、いっか。ここでも。聞いてみよう。
「ね、コーラ好き？」
Aは、一瞬「はぁ？」って顔して、短く答えた。
「嫌いですけど？」
え、なにこれ。
もっとシュワシュワする。
「ふーん、そっか。ならいいんだ。ありがと。」
そっか、君はコーラが嫌いなんだね。
なんかがっかり。
ただの先入観だったけど、君はコーラが好きなんだって勝手に思ってた。
まだ、心はシュワシュワしっぱなし。
でも今のシュワシュワはさっきと違って、振りすぎたコーラのシュワシュワ。ベタベタして、気持ち悪い。
俺、このシュワシュワ嫌い。
教室に戻ると、誰かと話してたジミナが顔を上げて、こっちに来た。
「突撃したんだって？どーだった？」
返す言葉が見つからない。
口をついて出た、一言。
「コーラ、嫌いなんだって。」
キョトンとするジミナ。
ああ、あの嫌なシュワシュワ、まだとれない。
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作者名：NONOMO | 作者ホームページ：http://waste1ton3
作成日時：2020年5月14日 1時
