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“見ないで”。
そうはいったものの、何を書けばいいのか全然分からない。
作文のテーマは『家族』。
でも、……。
私の家は少し特殊です。
捨てられて、芸能人の陸に拾われました。
そんなこと作文に書けるわけが無い。
……どうしよう。
何も書くことがない。
コンビニから帰ってきて、もう20分も経っちゃった。
まだ題名の『私の家族』の文字と、名前しかかけてない。
「……あれ、真っ白じゃん(笑)」
「んんん、……。」
「自由に書いていいんじゃない?」
「でも陸芸能人だし、」
「んなこと子供が気にすることじゃないって!(笑)」
陸帰ってくる前に書いた方が恥ずかしくないよ、とマネくん。
……たし、かに。
「……ごめん、やっぱり芸能人とは書かない方がいいかも」
「うん、」
でも、マネくんの“自由に書いていいんじゃない?”という言葉を貰って、さっきの真っ白だった作文用紙がちょっとずつ黒く埋まってきた。
「だぁぁああ、づがれだぁー、」
「おかえりー、ちびちゃん宿題で疲れて寝てるから静かにねー」
「あらほんと、」
お疲れ様________。
夢の中でそう聞こえた気がした。
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作者名:L | 作成日時:2020年7月25日 18時