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あれから毎朝同じぐらいの熱が出て、休んだり遅刻して学校に行ったりで、1人でちゃんと朝起きれなくなってしまった。
今日は学校を休んでからいーえっくす、……なんだっけ。
いーえっくすなんちゃらに来てる。
陸は有名人だし、さらに陸はいーえっくすなんちゃらと同じ会社で芸能人をやっているから、他の子たちと一緒の時間に来たら大騒ぎになってしまう。
だから今日は私と陸といーえっくすなんちゃらの人だけ。
「おはようございます」
「あ、おはようございます」
「……ます、」
「ふはっ、人見知り発揮してんねぇ(笑)」
「すみません、」
「いーのいーの」
ホントに挨拶出来ない子は口開かないもんね、と男の人は私に視線を合わせる。
「Aちゃんだっけ、すごい可愛い。ちっちゃい。陸、連れて帰っても、」
「ダメです。(笑)」
「ですよねぇ〜。あ、陸も動く?」
「あ、じゃあ、」
「ん、着替えてきな」
はーい、と陸は返事をしてから私を見てニコッと笑って部屋を出た。
陸が出ていって、ダンスの先生と私の2人きり。
……陸、早く帰ってきてくれないかな、
「Aちゃんはランペの中で誰が好き?」
「陸、」
「ははっ、だよねぇ〜」
座ってていいよ、とダンスの先生は小さく音楽をかけ始めた。
ランペの曲じゃない。
そもそも日本語の曲じゃなさそう。
「俺は壱馬かなぁ。超かっこいくない?」
「んー、」
「ふはっ、陸には勝てないかぁ」
「マネくん好き」
「マネくん、?」
「ランペのマネージャーさん」
「あら、マネージャーさんと仲良しなの。いいなぁ」
優しくて、かっこよくて、陸の次にずっと一緒にいてくれた。
勉強もいつも教えてくれるし、すごくわかりやすい。
「そういえば今日は学校おやすみ?」
「っ、うん、……」
「そっかそっか。じゃあ5時まで踊り放題だねぇ」
明日筋肉痛になりそう、とニコニコしているダンスの先生。
絶対怖い人じゃないってことは分かってる。
分かってるけど、……。
陸、早く戻ってこないかなぁ……。
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作者名:L | 作成日時:2020年7月25日 18時