2 F の 給 湯 室

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週明け再び月曜日。


月曜日独特の気だるさを感じて、電車に乗り込む。


何も変わらない。


イヤホンを着けて携帯片手にいじる人。


少し眠そうに目を擦る人。


電車ギリギリでホームを急ぐ人。







…変わったのは、私の心だけ。









イヤホンを着けて流す音楽を右から左へ流しても、浮かぶのはこの間の社員旅行。


…もう少し惜しんでおくべきだった。


皆の楽しそうな顔がありありと浮かぶ。








…本当、楽しかったなあ。









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会社について、3つあるエレベーターのうち1つに乗り込む。


そして、いつものように給湯室に入ろうとした時。









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『ねえ桐崎さん』




｢…はい｣




『渡辺さんと一緒に回ってたでしょ』




｢…はい？｣




『社員旅行！ 2日目！ 私見たんだから！



渡辺さんと仲良さそうに手を繋いで歩いてる所！！』









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2階フロアに大きく響いた声。



…そんな、そんな。



私といた所を…見られてた。



こんなに大きな声で言われてしまったら、ほとんどの社員に聞こえただろう。 …ってか聞こえた。



最悪だ。









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『…何とか言いなさいよ！！』




｢…いや、…その、…｣









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頭が回らない、どうした私。



こんなの認めているも同然じゃないか。



…落ち着け、落ち着け。



…そして考えろ。



今最優先すべき事は何？



渡辺さんの株を下げたりしない事。



…私が何と言われようと、人には迷惑なんてかけられない。

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