35話 心から叫ぶ ページ37
「ミク…」
Aは少しだけミクを睨みつけた
「ミク、どうしてみんながここにいるの?
…まさかミクがセカイに呼んだってことないよね」
ミク「それは…、……。
……A、貴方は元の世界へ戻るべきです」
「ぇ……っ、な、何を言って…」
ミク「今更こんなことを言うのは卑怯だと思っています
しかし、この方達と話して分かったんです
Aはたくさんの仲間がいるって、だから」
「うるさい…!」
瑞希「っ、A…」
もう、限界だ
「仲間?仲間なんてできたって仕方ないでしょ!
周りが勝手に期待して勝手に失望して…私からたくさんの人が離れていくのは、もう嫌なの…」
気が付くと私は膝から崩れ落ち、大粒の涙を流していた
それでもずっと溜め込んできたせいか開いた口は塞がらない
「本当はずっと消えたかった、それでもこの先にきっと楽しいことがあるって思いたくて、信じたくて…諦めきれなかった
今じゃ心の底からニーゴの活動を楽しめるかなんて分からない
もう何も考えたくも、思い出したくもないの、こんな私のことなんか忘れて……お願い…ッ!」
ミク「A…」
涙が視界を邪魔して、みんなの顔が見えない
だけどこれでいいんだ、これだけ言えば、もう…
絵名「何勝手なこと言ってるの?」
「…え?」
絵名「私たちAに期待してるとか迷惑だなんて思ったこと、一度もないから」
「で、でも…!」
奏「…私、このセカイでピアノを見つけたの」
「ピアノ…」
瑞希「奏も?ボクはピアノじゃないけど、途中で楽譜がたくさん落ちてるのを見たんだ」
絵名「私は参考書がそこら中に散らばってたから拾ってみたけど、どのページも同じ問題を何回も解いてるみたいだった」
まふゆ「…私たちミクからこのセカイについて少し聞いたんだけど、奏たちが見てきたもの全部Aのものだよね?」
「…うん」
正確には"だった"の方が正しいけど…セカイにはそんなものまで存在するんだ
奏「ねえA、今みたいに辛くてどうしようもないとき私たちを頼ってほしい」
「奏たちを…?」
「うん、私は少し前に一人で曲を作ってたんだけど、ニーゴに出会ってからは一人で考え込んだりすることも無くなった
曲作りで欲しい意見ももらえるし、何より一緒にいてとても楽しいんだ
もちろんその中にはAもいるんだよ」
「私が、ニーゴに…」
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みずな(プロフ) - 面白かったです!連載終わっちゃったの寂しいな… (2022年3月24日 20時) (レス) @page9 id: 6e79866175 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:らねい | 作成日時:2022年2月28日 18時