別れ ページ5
今日は、お葬式だった。
中には結の姿もあったはずだ。
ろくに会ったことも話したこともない人に心配されたり、涙を流されたがどうでもいい。
いなくなった。
犯人は、未だに捕まっていない。
あぁ、やだな。何で私、こんなに冷静何だろう？薄情何だろう？
大切な家族が死んじゃったのに。
もう二度触れることも、話すことも出来なくなったのに。
「最っ低だ･･･」
「A」
名前を呼ばれたからというよりも、声がしたから顔を上げたからという方が近いだろう。
見上げるとそこには結の姿があった。
「えっえぇと、ごめん、あっ『あの日』私があんなこと言ったから･･･、その･･･だから･･･」
死を強調する黒猫が腕から逃げるのと結が喋りだすのは殆ど同時だった。
「もう良いよ」
その言葉を受けた結は、顔を下に向けた。
そのせいでで表情が読めなかったが、きっと幻滅しているだろう。
こんな私なんか、『あの日』に何も出来なかった私なんか、もう嫌いになってくれ。
今みたいな、関係が一番嫌だ。
嫌われ未満が怖い。
なのに、
「良いわけないだろぉ！」
叱ってくれた。
誰のために？
わざわざ論じる必要もない、香山Aのためだ。
「十四年？それか、十三年？少なくとも十年以上一緒にいた奴がっ！！親友が！！今にも泣きそうな顔をして一人でいるんだ！そんな顔を見て、『もう良い』なんていう声を聞いてっ！！黙っていられるほどっ！！私は、花園結は、甘くないっっっっ！！！！！！！！！」
その言葉を聞いて、どれほど香山Aの心が救われたことか。
きっと花園結は、知らない。
彼女が知っているのはただ一つだけだ。
少女のとうの昔に錆たはずの涙腺から、透明な錆が落ちたことぐらいだ。
･･･もしかしたらこの日かも知れない。
香山Aが徹底的に壊れた日は。
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ミカみかん - C.(´･ω･`)、ありがとうございます！やっぱりあけた良いんですね…以後改善します！ (2019年7月30日 9時) (
レス) id: ffa316ce3a (このIDを非表示/違反報告)
C.(´・ω・`) - 面白かったです!只、行を少し開けた方が読みやすいかな?と思います。次の話も、楽しみにしています! (2019年7月28日 14時) (レス) id: f0bf6b6a91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカみかん | 作成日時：2019年7月24日 14時
