願い ページ23
大変お行儀悪く片目を閉じ人差し指を立てたまま雷さんは語る。
「まず、妖怪っつうのは、叶えたい願いが五秒で叶えちまった『願いの象徴』だ。だから、その願いにもとずいた『異能』が手にはいんだ。」
『願いの象徴』
『異能』
いきなりいわれても分かるはずがない。
だが、当てはまることはある。
例え、妖怪になって記憶が朧気になっていたとしても決して忘れられない、忘れることが許されない記憶。
人を殺すという行為。
錆び付いた路地裏の風景。
忘れてしまったかぞくにしんゆう。
この記憶の中に、願いがあるのかもしれない。
「その『異能』を使って楽するもの。『異能』を使って大切な人に会いに行くもの。『異能』で大切な人を守ろうとするもの。様々な妖怪がいるはずだった的な。」
「は、はず･･･だった？」
不吉な予感があった。
奇しくも当たっていたら、自分の身に何が起きたのかがはっきり分かるほど奇妙な予感が。
「忘れちゃったんだよ。大切な人も。さらには『異能』は『願いの報復』が無い人には、聞かないというオマケ付きで。」
「なぁぁんだぁってえぇぇぇぇーーー！」
「まじだ！」
「まじなのかよ！」
雷さんと意気投合していると、
スッパパパパァァァァァン！というお茶の間が大爆笑しそうな音が響いた。
その正体は、新聞紙だった。
「脱線事故を起こすな！雷！的な！！」
語尾がおかしくなっているのか、つけ忘れたのかは分からないさっきまでスルーされてた鈴さんが突っ込みを入れてきた。
「いってててて。続けんぞー！そんでもって新人であるチミの『異能』をしりt
「『人を喰う能力』多分使わなければもう一回死ぬと思う。」
雷さんの言葉を待つ前に私は言った。
「
皮肉な物だ。
何せ、人を殺したくないって生前？思っていても、どれだけ猛省していても人を殺して今私は、息を吸ってるんだから。
もしかしたら、いくらこの人達でも血相変えてガラクタを投げて来るかもしれない。
もしかしたら『もう一人の自分』が出てきてまた、喰い殺すかもしれない。
今まで、出てこなかったのが異常だったのだから。
それでも良い。
例えどれだけ恐れられても、忌み嫌われても、一人ぼっちに、なっても。
構わない。
だって、もう喰い殺したくないから。
それが叶うのなr
「何言ってんだよ。この山で人が死んだなんて話、聞いたことねぇよ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミカみかん - C.(´･ω･`)、ありがとうございます！やっぱりあけた良いんですね…以後改善します！ (2019年7月30日 9時) (
レス) id: ffa316ce3a (このIDを非表示/違反報告)
C.(´・ω・`) - 面白かったです!只、行を少し開けた方が読みやすいかな?と思います。次の話も、楽しみにしています! (2019年7月28日 14時) (レス) id: f0bf6b6a91 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミカみかん | 作成日時：2019年7月24日 14時
