何か変わらないものを手に入れようとしたある少女の終わり ページ15
まだ、血が滴る三日月ナイフを捨て壁に背中をつけていた。
(もはや目的は達成された。)
汚い地面や、死体を避けるように通って来た道だ。結や他の憲兵にも見つからないだろう。
誰にも、見届けて貰えずに。
誰にも、覚えられずに。
誰にも、思われないないまま。
その命は、朽ちかけていた。
尊いと言われている、命が。
(もう生きている理由も意味も無い。このまま･･･路上の染みになってもいいか。)
その時、香山Aは、泣いていた。
緋色の記憶にすがりながら。
『しあわせ』な記憶に、すがりながら。
そして、星明かりで照らされた地面から星空を見上げた。
瞬間、流れ星が通ったのでせっかくだから願い事を云う。
どうせ、誰にも聞かれないので声に出した。
「＿＿＿＿＿＿＿、＿＿＿＿＿＿、＿＿＿。」
その願いは、なんて残酷で。なんて優しくて。
そして、叶えられていた。
ただただ残酷に、叶えられていた。
(こんな人生でも、良いと思える事があった。最後にあいつが来てくれたから、私の人生は、蛇足では無くなった。もう望むものは、無い。)
そう言い、瞼に透明な雫を貼り付けたまま目を閉じる。
(これ････が『死』か。案外、怖くないんだな)
人間は、時に生きたいと思うだけで、死の淵から蘇る事ができるはずだが、香山Aにその意志は、無かった。
それなのに。
(『生きたい』とは、願っていないのにな)
(目を覚ましたら)
おかしいはずだ。
少女には、『生きたい』とは思っていないのに。
(私は、)
目を覚ますという、当たり前の動作をしている。
(私は、)
確かに、死亡し、生命活動を終わらせたのに。
願いを叶えた代償なのだろうか？
明らかに、
それは、
人
喰
い
妖
怪
に
な
っ
て
い
た
妖怪という、イレギュラーだった。
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ミカみかん - C.(´･ω･`)、ありがとうございます！やっぱりあけた良いんですね…以後改善します！ (2019年7月30日 9時) (
レス) id: ffa316ce3a (このIDを非表示/違反報告)
C.(´・ω・`) - 面白かったです!只、行を少し開けた方が読みやすいかな?と思います。次の話も、楽しみにしています! (2019年7月28日 14時) (レス) id: f0bf6b6a91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミカみかん | 作成日時：2019年7月24日 14時
