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五十八日目 ページ10

「キヨマサくん。喧嘩賭博の決着、ついてなかったよね?」
キ「・・・は?」
『何言ってんだよテメェ!どう見てもテメェの負けだろうが!』

「負けてないよ。」

あの日、私は何度も殴られても、アッくんたちに止められても、倒れなかったし退かなかった。
だから、まだ負けてない!!

ド「Aに一億円!!」

「へ?」
ド「下らねぇけど、乗ってやるよ。」

ヒ「ヒナも、慈くんに一億円!!」
エ「エマは三億円!!」

ドラケンくんも、ヒナも、エマちゃんも・・・。

キ「こいつら、切羽詰まってどうかしちまったんじゃねぇか?」
ド「してねぇよ。Aが勝つ。」

―――みんな、私を信じてくれてるんだ

(ありがとう・・・。)

「いくぞ、キヨマサ!!勝負だ!!」

ザクッ

「あ”あ”ぁぁ”あ!!」

瞬間、左手に激痛が走る。見ると、左手がナイフで貫かれてた。

(コイツ!コイツは!!)

キ「ただの処刑だろ?」
『ブハッ!キヨマサ最高ー。』
『流石キヨマサ!」

―――最初からタイマンなんて、する気なかったんだ!!

キ「殺してやるよ、花垣。」

「ん”ぁぁ”あ”あ”!!」

ナイフを引き抜いて、後ろに放り落とす。

―――絶対に負けない!!

「だあ”あ”あぁぁぁぁ!!」

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「私」を見てほしかった。

母さんが死んで以来、父さんが単身赴任して以来、父さんは私に興味を持たなくなった。でも、私はまだ子供だ。やり場のない寂しさを、心の穴を、どうにかして埋めたかった。時々湧き上がってくる、どうしようもない黒い衝動を、誰かにぶつけたかった。

だから、私は不良になった。

全国制覇をして日本一の不良になれば、みんな私に憧れてくれると思ってた。

父さんも、褒めてはくれなくても私を叱ってくれると思ってた。

不良になれば、簡単に強くなって、誰かが私を見てくれると思ってた。

手始めに渋谷三中を倒そうとした。

夢はすぐに打ち砕かれた。

似合わないことをして、結果はアレだった。

私は、マイキー君にはなれなかった。そして、これからもなれない。

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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇‍♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (2023年2月11日 20時) (レス) @page33 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2022年5月21日 16時

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