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四十九日目 ページ1

ド「なんだ、A。浴衣、結局着ねえのかよ。」
「はい、まぁ・・・。」

エ「ごめーん、お待たせ!」
ド「凄え待ったし。」

ドラケンくん。そこは「大して待ってねえし」では?いや、まぁドラケンくんがそんな甘々なセリフを口にするとは思えないけど。

「うわぁ・・・。」

ヒナはピンク、エマちゃんは青と対象的な色の花柄の浴衣を着ていた。髪も可愛くアレンジされている。
一方私はというと、白Tに短パンで腰にはグレーの着古したパーカーを巻いているという、四人の中で一番ダサい恰好をしていた。

(女の子っぽい恰好ぐらいはしとけば良かったかも。)

浴衣を着るのは結局やめた。なんだか怖い夢を見てしまったし、動きやすい方が良いだろうと理由づけた。

(それに、マイキー君も急用で来られないって言ってたし・・・。マイキー君が来るんだったら、目一杯オシャレしてたのに・・・。)

私の浴衣姿が楽しみだと言ってくれた張本人は、一体どこでどんな用事を済ましているのか・・・。
彼女さんとデート、とかないよね?いや、ないか。そうじゃなかったら一緒に祭りに行くとか言わないよね。

エ「マイキー君が来るんだったら、目一杯オシャレしてたのになぁ〜。」

突然、私の声を真似ながら爆弾発言をした。それは、私がさっき考えてた内容とまったく一緒・・・!

「ほぇ?!!え、エマさん?!急に何をおっしゃって、」
エ「そう考えたでしょ?」
(な、何故わかったんだ?!)
ヒ「あ、慈ちゃんやっぱりそうなんだ〜。」
ド「なるほど。そういうことか。」
エ「そう!そういうことなんだよ〜。」
「ち、ちがます、違います!!」
エ、ヒ「何が違うのかな〜?」

確信犯め!!

そう叫びたいところだったが、それだと認めてしまったことになる。
・・・何を?

瞬間に冷静になる。

ヒ「慈ちゃん!応援してるよ!」
ド「ま、がんばれよ。(両片思いっつーことかよ)。」
「・・・いや、何を?」
エ「やだ!この子まだ無自覚だわ。まぁ、それはそれで面白そうだけど〜。」

その後もしつこくからかわれた。いや、なんで?

(でも、楽しいな・・・。)

前の人生ではなかった、巫山戯合い合戦。最悪なようで最高に楽しくなりそうな夏祭り。

(ごめん、直人・・・。ご褒美として、少しだけならいいよね?)

私は、浮かれていた。

まだ何も終わってなんかいなかった。

私の人生で最も長い祭りが、始まる。

五十日目→



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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇‍♀️とても、続きが気になるのでよろしくお願いします。m(_ _)m (2023年2月11日 20時) (レス) @page33 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2022年5月21日 16時

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