ハジメマシテ、龍宮寺です 2

８８ ページ41

家に帰ったら、大寿はこれまでで一番怒っていた。もちろん暴力もひどかった。
でも、大寿の拳よりも心の方がずっと痛かった。

アタシは、大切な姉妹を守れなかった。

紬のことはアタシが守るって約束したのに、
アタシは紬にたくさん守ってもらったのに、
アタシは約束を守れなかった。

だから、きっとこれはアタシへの罰なんだ。

紬を巻き込んじゃいけなかったんだ。

これからは、アタシ一人で八戒を守る。

そう決心した。
でも、それは紬に再会したことで揺らいでしまう。

今日だってそうだ。

『私たち、一蓮托生でしょ？』

その言葉が、とても甘美な響きだった。





「八戒を守んぞ！！！」

花垣の呼びかけに呼応して、松野も三ツ谷も再び戦いを再開する。

「柚葉と紬ちゃんは！！絶対ぇ俺が守る！！！」

八戒も………

「ねぇ、ユズ。」

『柚葉。』

紬の声と、ママの声が重なる。

「『一人じゃないね。』」

ママに、ギュッと抱きしめられた。

そんな気がした。

―――ありがとう、みんな

８９→←８７

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す