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冬休み中でもユズは部活があるのでデートは夕方から。
ユズは制服で来るだろうから、私はズボンを着る。髪を短くしたらカップルに見えるだろうか。
まぁもちろん髪は切らない。髪は女の命なのだ。
そして夕方。
時間の経過が早すぎるって?知るかそんなの。それまでは暇で何もなかったんだよ。んなもん聞かされても眠くなるだけ。時間は無駄にするな。
おっと失礼。これこそ時間の無駄だわな。
「お待たせ。」
「やっと来た。」
セーラー服姿のユズがやっとご登場。スカーフは巻いてないんだね。
「じゃ、行こっか。」
「ん。」
掴みは悪くない。怒ってないっぽい??
そのあとは服を見たり小物見たりでキャイキャイ騒いだ。
ユズとおそろいのヘアピンも買ったけど、ユズやめろ。んでこの歳になって無駄に目がデカい動物のヘアピンをつけなくちゃなんねぇんだ。
最後の締めはカフェ。
クリスマスだから窓枠いっぱいにイルミネーションの色とりどりな光で溢れている。
久しぶりの心地よい沈黙が続いてると。
「悪かった。」
突然のユズからの謝罪。急にどした???
「紬は、アタシを思って行動を起こしてくれたのにアタシは礼の一つも言ってない。」
ごめん。それと、助けてくれてホントにありがとう
そう力なく笑うユズを見てたら、なんだか胸が苦しくなってきた。
助けられていない
結局は三ツ谷たち東卍に任せっきりにさせてしまったし、大寿のDVからはまだ解放できていない
それなのに、そんな笑顔を見せられると何も言い返せなくて
ただただ自分の無力さを痛感させられた。
心地よさに濁りができた中で帰路につく。
トンネルの下を渡ってる最中。
「柴柚葉さんと……龍宮寺紬さんですね。」
男の声がゾワッとトンネル内で響いた。
やって来たのは金髪で褐色肌のメガネヤンキー。
「誰だテメェ。」
「稀咲鉄太と申します。」
―――八戒のことで話しがあって来ました
その瞬間、稀咲の傍に寄ってその首を掴んだ。
「紬!?」
「テメェ、八戒とどういう関係?」
「………俺じゃ、八戒を助けられない。だからアンタらを頼りに来た。」
「根性ナシかよ。」
ハッと鼻で笑ってやる。稀咲はピクリとも表情を変えない。どうやら挑発に乗らないようだ。
それよりも私たちの方が感情を乱された。特にユズが。
「八戒に何が……?」
「八戒は――」
―――今日、柴大寿を殺しに行く
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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️めっちゃこの物語良き過ぎます(๑•̀ㅂ•́)و✧更新されるのを楽しみにしています(*^^*)🎵𓈒𓏸 (2023年2月3日 17時) (レス) @page43 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - あ、八戒固まった、このシーン好き! (2022年11月6日 19時) (レス) @page18 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - あ、これって、あの短編にあったシーン! (2022年11月3日 13時) (レス) @page11 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 場地さんそのセリフ!!!夢主、鈍感だよって、ハロウィンのは大泣き場面やぁ…… (2022年10月30日 22時) (レス) @page7 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
巫缶(プロフ) - 違う!そういう意味じゃない!(多分) (2022年10月30日 21時) (レス) @page7 id: 926dc0c43f (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2022年10月28日 16時