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「っ!……ごめん。」
「ぁ……違う、こーゆう話しがしたいんじゃなくて……その…ごめん。」
キツイ言い方してごめん。
気付けなくてごめん。
「すごい今更だけど……あのとき、離れてしまってごめん。」
「いいよ…紬に家族ができて良かった。」
「………うん。ありがとう。」
お互いスッカリ気まずくなってしまった。
居心地の悪い沈黙が続いてると、突然電話のコールが鳴り響く。
一瞬、大寿がユズにかけてきたのかと思ったが違うらしい。
私のスカートのポケットに入ってる携帯からだった。
「ごめん、ちょっと……」
「うん。」
画面には[三ツ谷]と表示されていた。
「三ツ谷どした?」
[どした?じゃねぇわ。今どこにいんだお前。]
ドラケンの奴電話出てくんねぇって心配してんだぞ!!と珍しく怒ってるっぽい三ツ谷の声。
………あぁ、メールの送信はできなかったんだっけ??うわゲンコツ確定じゃん。
「ユズん家。ちょっとトラブって、」
[どーゆうことだよ……]
「アタシが代わりに説明すっから……」
ユズに携帯を任せた。
一通り、今さっきあったことを説明した。
電話越しでもわかるほど、三ツ谷はクソデカため息を吐く。
[この問題児が……迎え行くからちょっくら待ってろ。]
問題児じゃねぇワ……多分。
一方ユズは制服のまま出かける支度をする。
多分、『回収』とやらに向かうのだろうが……聞いてなかったフリをする。
その代わり、ちょっとユズを試してみることにした。
「ユズ、どっか行くの?」
「………ちょっとね。」
それ以上の会話は許さないとでも言うように、『もう帰ってくれていいから』とだけ言い残して、ユズは部屋を出た。
何も話してくれなかった。
ユズは……私のこと、もう頼りにはしないのかな………
テチテチと外に出て三ツ谷の迎えを待つ。
いつもだったら心浮かんでいただろうが、今回ばかりは寒すぎてそれどころではなかった。
ウォンウォンという排気音が聞こえてきた。三ツ谷のインパルスのだ。
「よぉ、問題児。」
「問題児じゃなくて龍宮寺紬だワ。」
「頬腫らした上に首に痕がついてる奴が問題児じゃねぇって?」
スッカリ忘れてた。これ見たらお兄ちゃん怒り狂うだろうな……私に対して。
とりま三ツ谷のケツに乗っかった。
「ったく…知らねぇトコで巻き込まれてんじゃねぇよ。」
「巻き込まれてねーし。」
「……はいはい、そーかよ。」
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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️めっちゃこの物語良き過ぎます(๑•̀ㅂ•́)و✧更新されるのを楽しみにしています(*^^*)🎵𓈒𓏸 (2023年2月3日 17時) (レス) @page43 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - あ、八戒固まった、このシーン好き! (2022年11月6日 19時) (レス) @page18 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - あ、これって、あの短編にあったシーン! (2022年11月3日 13時) (レス) @page11 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 場地さんそのセリフ!!!夢主、鈍感だよって、ハロウィンのは大泣き場面やぁ…… (2022年10月30日 22時) (レス) @page7 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
巫缶(プロフ) - 違う!そういう意味じゃない!(多分) (2022年10月30日 21時) (レス) @page7 id: 926dc0c43f (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2022年10月28日 16時