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いやいやナイフはアウトだろ。
さすがに黙っておれず、すかさずその男の腕をナイフごと蹴り上げた。
「誰の弟に手ぇ出してんだ。」
ちなみに、自慢ではないが私の蹴りをマトモに食らった奴は骨が折れる。
今回の蹴りも絶好調だったはず……だが、蹴りを入れた男は何事もなかったかのように落としたナイフを拾った。
喧嘩慣れしてやがる。
どうやら私の行動は場のピリついた空気に油を注いだだけだったようだ。
「テメェら全員殺してやる。」
ヤッバァ……この場にはヒナちゃんがいんだが。ユズは………
「花垣!ここはアタシたちに任せて逃げな!!ヒナちゃん守れよ!!」
逃げる気はないようだ。さすがはユズ。
まぁタケミっちくんはヒナちゃん命だから何がなんでも守るだろう。これで安心……
「タケミチくん後ろ!!」
とはいかなかった。後ろからドゴンッという音が響き渡る。
「ドーは、ド突くのドー!!!」
物騒な替え歌とともにやって来たのは、憎っくき柴大寿だった。
うっへぇ、タケミっちくんはどうやら大寿にラリアットされたらしい。
「ん……んんん!?」
テメェ紬かぁ!!と狂気的な笑みを浮かべる大寿。
それは探してた獲物をようやっと捕らえたとでもいうような、無知で無邪気で残酷な子供が浮かべる笑みだった。
おっかしいなぁ……ユズの話しでは『落ち着いた』はずだったんだけどなぁ………。
全然落ち着いてねぇじゃん。むしろ悪化している。
「お久しぶりだね、大寿。」
「テメェどっかで野垂れ死んでんのかと思ってたが、舞い戻って来やがったか。」
野垂れ死ぬって……まぁ実際野垂れ死にかけましたけどぉ。
タケミっちくんが東卍の幹部だとわかると、この部下にしてこの上司あり。さっきのラリアットじゃ足りなかったのか大寿もタケミっちくんをボコり始めた。
ヒナちゃんが止めに入ろうとするが、すかさずユズがヒナちゃんの手を掴む。
まぁ私のことがあるし、大寿はヒナちゃんにも容赦しねぇだろーしな。ナイス判断、ユズ。
突然、ピコンっと通知が入った音がした。
携帯を開くと、お兄ちゃんから。ヤッベ、忘れてたワ。
今度こそポチポチとメッセージを入れた。
そろそろ帰んないとガチでヤバいのだが。
そんな思いとは裏腹に、人が殴られた音がした。
「柚葉ぁ、テメェの躾けの問題だぞ。これは。」
ユズ……これのどこが『落ち着いた』なのかなぁ??思いっきり殴られてんじゃん。
タケミっちくんが物申す前に私が声をかける。
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Moon(プロフ) - こんにちは(*ˊᵕˋ*)コメント失礼します🙇♀️めっちゃこの物語良き過ぎます(๑•̀ㅂ•́)و✧更新されるのを楽しみにしています(*^^*)🎵𓈒𓏸 (2023年2月3日 17時) (レス) @page43 id: b2ea47ad96 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - あ、八戒固まった、このシーン好き! (2022年11月6日 19時) (レス) @page18 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - あ、これって、あの短編にあったシーン! (2022年11月3日 13時) (レス) @page11 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - 場地さんそのセリフ!!!夢主、鈍感だよって、ハロウィンのは大泣き場面やぁ…… (2022年10月30日 22時) (レス) @page7 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
巫缶(プロフ) - 違う!そういう意味じゃない!(多分) (2022年10月30日 21時) (レス) @page7 id: 926dc0c43f (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2022年10月28日 16時