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最初はその笑顔を見ればいいと思っていた。
Aの隣に並んで見れば。
でも俺たちが中学に上がってからその考えはガラリと変わった。

中学になれば小学生と違い異性を意識する。
それは自然でごく当たり前のことだ。
俺だってAの好みが明るくて優しい人って知ってから前髪を伸ばすのを辞めたし、極度の人見知りも多少は克服して男友達も作った。
俺の世界はいつだってA中心だった。


Aは中学に上がってからモテ期が来たらしい。
当の本人は私なんか…と卑屈的になっていたが、俺の友達はみんなAを気にしていた。
俺とAが幼馴染だと知って俺に群がる奴も居たぐらいだ。
最初は褒められるAの話を聞いて気分が良かったが、俺はそのうちその状況が気に食わなくなった。

「パクさん可愛いよな〜清純そうだし!」

「絶対抱き締めたらいい匂いするよ〜だろグク。」


俺の席の周りでそんな話をする同級生に堪らなく殺意が湧いた。
すごくすごく憎くて気持ち悪くて_

(お前らにAの何が分かるんだよ。
腰の付け根にほくろがある事も、小指が少し短くてかわいいところも、耳が少し弱いところも知らないくせに。知らないくせに。知らないくせに。)



「俺、パクさんに告白するわ!
グギ応援してくれるよな!サポート頼むぜ!」



____知らないくせに。






「辞めた方がいいよ、ああ見えてアイツは_」







気付いだ頃にはAは孤立していた。
机の周りに誰も近寄らずに窓際の席で一人寂しく背中を丸めるA。
「私なにか悪い事しちゃったかな…」と言って相手を責めるわけでもなく自分を責めるA。

「ねぇ、グク私どうしたらいい…?」涙をぽろぽろ流しながら俺に縋るAが酷く可愛くて、
大丈夫だよ、と抱きしめた時俺の腕は歓喜で震えていたし、口は緩みきっていたと思う。


「…俺がずっと側にいるからね。」





Aを誰にも渡したく無い。
だったらAの悪い噂を流せば周りは離れていくし、Aは俺しか選べなくなる。

かわいい、かわいい。
罪悪感を浮かべる表情も全部。


ずっとずっと俺だけを好きでいて、
俺から離れなくなればいいと思った。


これが正しい選択だと思った。















薄紅色の靭葛【JIN】

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咲綺(プロフ) - 続きが見たいです!! (2020年5月23日 22時) (レス) id: a2e0669daa (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか?めちゃ気になります! (2019年12月6日 18時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
ぐろす - けっこー経ちましたけど更新しないんですかー?楽しみにしてまーす! (2019年12月6日 17時) (レス) id: 63cd4095fc (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか? (2019年10月16日 0時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - とても面白いです!!ヤンデレグクちゃんたまりません。シスコンジミちゃんにも守ってもらって、優男テヒョンにも守ってもらえて主人公ちゃんが羨ましいです(笑)更新楽しみにお待ちしてます! (2019年8月15日 0時) (レス) id: 202f553fa0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:飛鳥 | 作成日時:2019年6月12日 23時

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