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久々に学校を休んだ気がする。
一日中スマホも開かずに寝ていた私は、
翌日の朝には完全に体調は元どおりになっていた。
オッパは相変わらず起きて来なくて、
私は朝ごはんを頬張りながら宙を見つめる。
…今日起きた時、私はグクにカトクで『これから朝迎えに来なくていいよ』と送った。
「今日から本当にひとりぼっちだ…」
私はグクから離れなくちゃいけない。
朝ごはんを食べ終えた私はテキパキと身の回りの支度をしていつもより早い時間に家を出た。
*
そこからは大変だった。
事あるごとにグクを避けようと決めた私は、HRの時間になるまで他の静かな場所で暇を潰し、
お昼は話しかけられる前に率先して先生の雑用を装って職員室へと出入りした。
帰りもグクがこちらに来るより先に教室から出て他の場所にしばらく隠れるように滞在してから帰路につくように。
スマホの通知は凄くうるさかったのでカトクのデータごと初期化して徹底的にグクを避けた。
幸いな事にお昼とか放課後は偶にテヒョン先輩が付き合ってくれて、次第にグクといるよりもテヒョン先輩といる時間が増えていった。
「なんか最近笑顔が増えたね」
テヒョン先輩にある日そう言われて私は自分の顔を思わず触る。
思えばずっと私は笑っていなかった気がする。
私がどれだけグクに依存していたかが今更になって実感してゾッとした。
「ふふ、テヒョン先輩のおかげですよ」
「……Aちゃん」
優しく笑うテヒョン先輩は、私の髪の毛を耳にかけてするりと手を滑らせて私の頰を包む。
近くなった距離に鼓動が早くなるのがわかった。
「あのね、ずっと言いたかったんだけど_」
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グクを避けて2ヶ月が経った頃。
私は放課後、下駄箱で靴を履いている時ついにグクに腕を掴まれた。
息が上がっていたグクはここまで走ってきたのだろう、振り払おうとしてもビクとも動かなくて。
テヒョン先輩と帰る約束をしているのにグクはお構い無しにそのまま私を引っ張って空き教室に連れ込んだ。
「ねえ、何のつもり」
「…なにが、」
「惚けるなよ、カトクも消して俺を避けてる。
朝も昼も帰りも全部。」
私の肩を掴んで見下ろすグクは怒っているように思えたけど、私は何だか一周回って笑いが込み上げてきた。
馬鹿にしてるの?という声は呑み込んで私はハッキリとグクに告げた。
「私テヒョン先輩と付き合う事になったから」
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咲綺(プロフ) - 続きが見たいです!! (2020年5月23日 22時) (レス) id: a2e0669daa (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか?めちゃ気になります! (2019年12月6日 18時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
ぐろす - けっこー経ちましたけど更新しないんですかー?楽しみにしてまーす! (2019年12月6日 17時) (レス) id: 63cd4095fc (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか? (2019年10月16日 0時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - とても面白いです!!ヤンデレグクちゃんたまりません。シスコンジミちゃんにも守ってもらって、優男テヒョンにも守ってもらえて主人公ちゃんが羨ましいです(笑)更新楽しみにお待ちしてます! (2019年8月15日 0時) (レス) id: 202f553fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飛鳥 | 作成日時:2019年6月12日 23時