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「えっと…」
「うん?」
顔は見えないけど、声の圧が凄い。
どうやって言葉を紡ごうか迷ってるうちに
オッパが私を抱きしめる腕の力が強まった気がした。
どうしよう、
てかそもそもオッパが帰ってるとは思わなかった。
オッパは人気者でよく友達と遊んで帰ってくるからこんな夕方に家にいるのは珍しい。
私は自分の制服を見つめながらため息を吐いた。
「こ、こぼしちゃったの…友達に笑わされて」
「…」
見苦しい嘘だなと自分でも思う。
どんなこぼし方だよ…と心の中で突っ込みながらもオッパの返答を待った。
しん、とした洗面所が息苦しい。
やっぱりオッパは怒っているんだと思ったとき、オッパの小さいため息が聞こえた。
「なんだぁ、全くAはドジだな〜」
「へ」
いつものほんわかとしたオッパの台詞に私は少し呆気に取られてしまった。
あの言い訳がまさか通じた?困惑しながらも話に合わせて曖昧に笑っていると、オッパは私から手を離して「でも良かった」と言って言葉を続けた。
「いじめとかだったらオッパ相手に加減出来ないからさ〜」
*
次の日。
いつもはギリギリまで寝てオンマにキレられてるオッパが私と一緒の時間に家を出た。
正直昨日のオッパの台詞に凍り付いた私は、朝起きて下に降りた時にフロスティを食べるその姿にひっくり返るかと思った。
オンマも「気持ち悪い」と酷い言い様をするくらいオッパが早起きしてるのは珍しい。
しかも私と家を出るのが一緒になったのだって小学生の時の集団登校の時くらいだ。
そんな中、「Aどうしたのそんな顔して。可愛いけど」と当の本人は呑気そうに靴を履いている。
私と同じ時間に家を出るということは、ジョングクに会うことになる。
多分ジョングクもびっくりする。
「おは……え、ジミニヒョン、?」
「おはようグギ〜」
目を丸くするグクは兎のように可愛い。
そんなグクに手を振りながら寄っていったオッパは何かコソッとグクと会話をしてから、
「じゃあまた学校でねA〜」とニコニコ笑顔で去っていった。
一体なんなんだあれ…。
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咲綺(プロフ) - 続きが見たいです!! (2020年5月23日 22時) (レス) id: a2e0669daa (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか?めちゃ気になります! (2019年12月6日 18時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
ぐろす - けっこー経ちましたけど更新しないんですかー?楽しみにしてまーす! (2019年12月6日 17時) (レス) id: 63cd4095fc (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん()(プロフ) - 続き書かないんですか? (2019年10月16日 0時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - とても面白いです!!ヤンデレグクちゃんたまりません。シスコンジミちゃんにも守ってもらって、優男テヒョンにも守ってもらえて主人公ちゃんが羨ましいです(笑)更新楽しみにお待ちしてます! (2019年8月15日 0時) (レス) id: 202f553fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:飛鳥 | 作成日時:2019年6月12日 23時