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．
「A」
長い午前中が終わるとお昼休みを知らせるチャイムが鳴る。
皆が一斉に席を立つ中、いつのまにか私の席の前にはグクが立っていた。
私が「グク、辞書ありがとう」と机から出して彼に渡せばグクは満足そうに笑いながら「どーいたしまして」と頷いた。
「…私のせいでソクジン先生に怒られちゃったね、ごめん」
「ああ、そんなこと？全然気にしないでよ。
それよりお昼食べに行こ」
ケロッとしてるグクは鞄を片手にいつも食べている中庭のベンチを指差した。
いつもなら頷く私だけど今日は違った。
「あー、先行ってて」と言うとグクの表情がピシリと固まった。
あ、と思った頃には遅い。
この世には存在しない何かのスイッチの音が私の頭に響いた。
「ち、違うよグク。変な意味じゃなくて、
ジミニオッパに用があるの」
「あぁ、なんだジミニヒョンか」
ジミニオッパの名前を出した途端に柔らかくなったグクの表情にホッと息をついた。
よく分からないけど、私はたまにこうしてグクの"何かのスイッチ"を押してしまうときがある。
その時はいつも優しい幼馴染が怖いと感じてしまう。
「で、ジミニヒョンになんの用事？」
「えっと、お弁当忘れてったから届けに行かなきゃだから。」
「…なるほど、ね。」
鞄から取り出した２つのお弁当袋を横目にグクは頷きながらボソッと「＿妬けるなぁ」と呟く。
え？と私が声をあげるとグクは何事も無かったように爽やかな笑みを浮かべた。
「ま、ジミニヒョンなら俺も安心かな。
早く行っておいで」
「う、うん。ありがとう」
いつも通りの明るい声色でひらひらと手を振るグクに私も手を振って教室を出る。
いつのまにか走っていた私はジミニオッパの教室に着いた頃には息が上がっていた。
＊
「やーAありがとう！」
「お、オッパ…お弁当崩れちゃうよ」
ぎゅーっと効果音が付きそうな程私を抱き締めるジミニオッパは、私が苦しそうな声を出すと「ごめんごめん」と私から離れる。
私からお弁当を受け取ったジミニオッパは「次からは気をつけるね〜」とその場を癒す様にこにこ笑顔で言った。
「うん、オッパが飢えてなくて良かった」
「キヨウォ〜…」
釣られて笑えばこれでもかと褒めてくれるジミニオッパは少しシスコンかもしれない。
そろそろグクの所に行かなきゃと思っていると、
背後から「あれ？」と声が聞こえた。
「Aちゃんだ〜」
「テヒョン先輩！」
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咲綺(プロフ) - 続きが見たいです！！ (2020年5月23日 22時) (
レス) id: a2e0669daa (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん（）(プロフ) - 続き書かないんですか？めちゃ気になります！ (2019年12月6日 18時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
ぐろす - けっこー経ちましたけど更新しないんですかー？楽しみにしてまーす！ (2019年12月6日 17時) (レス) id: 63cd4095fc (このIDを非表示/違反報告)
Pちゃん（）(プロフ) - 続き書かないんですか？ (2019年10月16日 0時) (レス) id: 00ec3437ee (このIDを非表示/違反報告)
カナタ(プロフ) - とても面白いです！！ヤンデレグクちゃんたまりません。シスコンジミちゃんにも守ってもらって、優男テヒョンにも守ってもらえて主人公ちゃんが羨ましいです(笑)更新楽しみにお待ちしてます！ (2019年8月15日 0時) (レス) id: 202f553fa0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：飛鳥 | 作成日時：2019年6月12日 23時
