ロミオとジュリエット (ページ10)

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知ってしまったときにはもう遅いページ10

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「んーーーーー」

あの人のことが頭から離れない。これが恋？いやいや顔すら知らないのに恋などできるはずがない。
考えても無駄だテレビでも見よう、そう思いつけたときだった。

「あ、」

そこに映るのは松村家の息子、松村北斗だった。普段なら何も思わないがその低い声に聞き覚えがあった。
どこだっけ、

「まさか、パーティーの時の、」

信じられなかった。もしかしたらまた会って話ができるかもしれないそう淡い期待を抱いていた私が馬鹿だった。

「こんなことってある？笑」

笑うしかなかった。人生で初めて気になる人ができたのに、、今になってわかる。私は松村北斗に恋をしていたんだ。

だが正体を知ってしまった以上特別な感情を持つことはできない。持ったところで結ばれないのだから。

もし私が森本家に生まれてなければ結ばれていたのだろうか？なぜ私はこの家に生まれたのか？

そんなことをぐるぐると考えていると私はいつの間にか眠りについていた。