ロミオとジュリエット (ページ13)

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操り人形ページ13

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「え、」

母『お相手は京本財閥の御子息の大我様よ！』

母がうきうきしながら私に言う。
私でも知っている。京本財閥、日本でトップの財閥だ。なぜ私が選ばれたのだろうか、

父『どうした、Aなんだか嬉しくなさそうだな』

まずい、ここで他に想っている人がいると言ったらどうなるのだろうか、ましてや松村家の人間だ。言ったら確実に家を出なければならなくなるだろう。

「いえ、とても嬉しいです」

慎『A、』

お兄ちゃんが心配そうに私の名前を呟く。

母『はあ、私の娘が京本家に嫁ぐなんて、』

父『これでこの家も安泰だな、じゃあ明日両家顔合わせだから準備しておくんだぞ』

そう言ってお母様とお父様は出て行った。

「やっぱりそうなるよね、私は人を好きになっちゃいけないんだ。辛いだけだよ、笑」

静かになった部屋で私は呟いた。

「ごめんお兄ちゃん、高地、ちょっとの間部屋を出て行ってくれる？」

高『はい、また何かございましたらお呼びください』

慎『いつでも相談乗るから、』

「うん、ありがとう」

なんであの時気になっている人がいる、と言えなかったのだろうか。2人がいなくなった部屋で私は涙を流した。

自由な恋愛なんて夢のまた夢だった。
結局私は自分では反抗できない親の操り人形なんだ。