素(ありのまま)の君が好き。４ (ページ19)

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すれ違いページ19

ー真田ー

渡辺｢おう、真田。元気かー？｣

電話口から聞こえてくるのは懐かしい声。

いまいち何を話せばいいかわからなかったけど、嬉しかった。

でも、

渡辺｢そうか、わかった。｣

そう言って、あっけなく切られてしまった。

俺、何か変なこと言っちゃったかな…。

マネージャーから、もうあいつらとは一緒に仕事できないって告げられて数ヶ月。

会うことも連絡することも無くなり、いつの間にか距離ができてしまった。

話したい気持ちはありながら、何を話していいかわかんなくて。

俺ら2人だけに舞い込んだ仕事が、結果的にこんなことになってしまって、合わせる顔がなくて。

野澤｢…真田？｣

真田｢あ、悪い。なんだっけ。｣

最近仕事にも身が入らない。

俺らだけがこのまま上手くいっていいのか。

でも、俺らがこんなんでどうする…。

考えても考えても、出ない答え。

最初は事務所の人に何度も掛け合ったりした。

俺らが頑張れば、今まで通りに仕事ができるんじゃないかって。

それでも、ちっぽけな俺らの思いなんて取り合ってもらえるわけもなかった。

そして段々と今の状況を受け入れてしまっている自分がいた。

｢こんなはずじゃなかったのになぁ。｣

静かに呟いて、部屋に飾ってある9人で撮った写真をぼーっと眺める。

ﾋﾟｺﾝ…