素(ありのまま)の君が好き。４ (ページ17)

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ー渡辺ー

最近色んなことが心に引っかかって、なかなか仕事にも身が入らなかった。

思ったことをすぐに言ってしまう性格だから、傷つけてしまうのが怖くてできるだけメンバーとも関わらないようにしてた。

『みんな、翔太のこと心配してると思うよ？大好きなメンバーだからね。』

自分のことしか考えられずに塞ぎ込んでいた情けない俺に優しく微笑むA。

渡辺「メンバー…。」

メンバーっていい響き。

俺だってみんなのことが大事で、大好きだ。

気づいたら俺はAを抱きしめていた。

『ん、、翔太？？』

Aがちょっと困ったような顔をして俺を見る。

この子にはいつも助けられてばかりだな。

渡辺
「俺、2人と一緒にやっていけなくなったこと、正直まだ受け入れられてない…。そんなこと言ってもどうしようもないのは分かってるのに、いつまでもウジウジしてる自分が嫌いだ。」

思わず本音が溢れ出す。

自分の弱い部分も全部、この子なら受け止めてくれるような気がして。

『うんうん、わかるよ。私もおんなじだもん。不安なこと、たくさんだよね。』

こんなに心が綺麗な子が俺と同じわけがない。

だって俺は…

・

1週間前

渡辺｢おう、真田。元気かー？｣

真田｢翔太ー久しぶりだな。俺は元気だよ、翔太は？｣

渡辺｢俺も元気。｣

全然連絡もくれないから、どうしてるかな？と思って真田に電話をかけてみた。

ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ寂しかったし。

でも、特に用事があるわけじゃなかったから、会話が弾むわけもなく。

｢…。｣

仕事の空き時間にくだらない話で盛り上がっていた仲間との間に深い溝が生まれてしまったことを思い知る。

渡辺｢…その、、仕事はどう？｣

何とか話題を絞り出そうとする。

真田｢野澤と2人で頑張ってるよ。…ほんとに色々ごめんな。｣

か細い声で謝る真田。

なんでお前が謝るんだよ。