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Aside
戦は…終わったのか。
少しボロボロになった服を剥ぎ、血塗れた腕に包帯代わりにして巻く。
血を見るのは、アトロパテネの時に慣れてしまったのか、なんの抵抗もなかった。
でも、ここに来ていなければ_一生戦いなんて知らなかっただろう…
いつまでも、籠の中に入ったままのお姫様…。
浅葱色の着物を着て、鞠をついたり、お琴を演奏したり、詩を作ったり…。
そんな生活に少し戻りたい__なんて思ったこともあったけれど、
こっちに方が、生きている…っていう感じがする。
それに、もうここからは離れられない。
殿下と約束したから…
大好きな彼に__離れて欲しくない…と言われたから…。
少し、思い出に浸りすぎたか__我を見失う。
殿下の元に向かわなければ…
そう決心し、足を進める。
私が殿下達の元へ向かうと、カーラーンはもう息絶えているようだった。
それを、悲しそうな目で見つめる殿下を見ると__こちらまで涙が出そうだった。
私が来たのに気付いたのか、彼が私に抱きついてきた。
ギー「おぉぉ!A殿〜。」
そう、ギーヴが…。
それを見た、ファランギースさんがギーヴを取り払う。
それにしても…。
二人ともなぜここに__?
ファ「先ほどは、馬上から失礼いたしました。我が名はファランギース」
殿下に仕える、と言ってくださった方…。
アル「礼を言う、ファランギース。先程は危ういところを助けてくれたな」
跪いたファランギースさんがもう一度殿下に頭を下げる。
ギー「王都エクバターナより殿下にお仕えするために、脱出して参りました。ギーヴでございます」
ギーヴは、私と殿下は一度会ったことがあった。
そのことを思い出したのか、殿下の顔が急に明るくなった。
アル「ギーヴは一度会ったことがあったな…!」
その一言に、皆が驚愕する。
A「殿下、その事は皆に言っては…」
私が殿下に囁く。
そう、あの日の私が脱走しようとしたことが皆に伝わっては困る。
それに納得したのか、殿下は話を変えた。
アル「ファランギースに頼みがある。カーラーンと部下達に弔いの歌をささげてくれないか。」
その殿下の優しさに呆気に取られたのか、誰も口を開かなかった。
アル「家族がある者もあったであろう…どうか戦士を弔う神の詞を」
ファ「承知いたしました」
一瞬の迷いもなく、彼女は答え_歌い出した。
その歌は私の故郷の歌に似ていた。
なぜか涙が出てきた。
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- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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紫悠(プロフ) - アルスラーン可愛いですよね!自分はアルスラーンとファランギースとギーヴとジャスワントが大好きです(*´ω`*) (2017年6月25日 18時) (レス) id: 791c70b0b3 (このIDを非表示/違反報告)
しょうこ - アルスラーン最高さてさてさーてお昼寝しまーすおやすみ (2016年10月23日 14時) (レス) id: 791fe62814 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉雪弥(プロフ) - 愛花(仮)さん» コメントありがとうございます!アルフリードの間違えでした! (2016年8月16日 10時) (レス) id: 9120b3fe98 (このIDを非表示/違反報告)
愛花(仮)(プロフ) - おもしろいです!
あと、説明文のところがファランギースファランギースと続けなっていますが間違いでしょうか?もし、そうならなおしたほうが良いかと… (2016年8月16日 1時) (携帯から) (レス) id: 00f5fc4ed0 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉雪弥(プロフ) - ラハルさん» いえいえ!大丈夫です!わざわざ言ってくださる事に感謝したいくらいです…!更新頑張るのでよろしくお願いします。 (2016年8月7日 23時) (レス) id: 9120b3fe98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩葉雪弥 | 作成日時:2016年8月5日 1時