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エラムside



夜も更ける中、私は違和感を感じ___


目を開く。


殿下とAがいない?___


私が少し見回しても彼らは現れず、少し不安になる。


ここで、ナルサス様を起こして_


一緒に探すべきだとは思うが


なんだか、その気にならない。


なぜなら、彼らが単純な理由でここを抜け出したような気がしないからだ。


そうやって、私がどうこうしようと考えていると___


彼らは戻ってきた。


帰ってきた、と言ったほうがいいのか____


短い黒髪を揺らした彼女と、それを守るように一緒に歩く殿下。


そんな殿下を見て少し妬いた。


でも、私はできるだけ小さな声で言った。


エラ「お二人さん、こんな夜遅くにどこへ___」


A「エラム…ごめんなさい私___」


急に彼女が謝り出す。


それを殿下が後ろで優しい顔をして見守る。


一体、どうしたのか。


エラ「A、顔を上げてください。」


私がそう言うと、彼女はおずおずと顔を上げる。


そして、何か雲を掴んだように話しだす。


A「じ…実は…私___。」


私が優しく__うんうんと頷きながらそれを聞く。


A「私、ここから逃げようとしてたんです___」


逃げる___か。


アル「でも、私はAがどこにも行ってほしくなかったから____だから言ったんだ。」


笑顔で言う殿下に何かを突き刺された気分になる。


何を___言ったのか。


そんなのわかる。


きっと、好き___だって言ったんだろうね。


私は動揺しつつもそれを隠そうと、笑顔で言う。


エラ「まぁ___ふ…二人とも戻ってきてよかったですよ」


怪しまれたのか___。


でも、今日はもう休んでもらおう。


エラ「殿下とAは昨日も遅かったことでしょうから、今日は短い時間ではありますが、ごゆっくりお休みください。」


そうひとことを笑顔で言う。


それを笑顔で殿下は頷き、Aも少しふにゃりと笑う。


これで____よかったんだ。


私はAの幸せを願っていた。


だから____これでもう大丈夫。


Aの幸せは叶ったのだから。


私はそう自分に言い聞かせ、目を瞑る。

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設定タグ:アルスラーン戦記 , アルスラーン   
作品ジャンル:恋愛
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紫悠(プロフ) - アルスラーン可愛いですよね!自分はアルスラーンとファランギースとギーヴとジャスワントが大好きです(*´ω`*) (2017年6月25日 18時) (レス) id: 791c70b0b3 (このIDを非表示/違反報告)
しょうこ - アルスラーン最高さてさてさーてお昼寝しまーすおやすみ (2016年10月23日 14時) (レス) id: 791fe62814 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉雪弥(プロフ) - 愛花(仮)さん» コメントありがとうございます!アルフリードの間違えでした! (2016年8月16日 10時) (レス) id: 9120b3fe98 (このIDを非表示/違反報告)
愛花(仮)(プロフ) - おもしろいです! あと、説明文のところがファランギースファランギースと続けなっていますが間違いでしょうか?もし、そうならなおしたほうが良いかと… (2016年8月16日 1時) (携帯から) (レス) id: 00f5fc4ed0 (このIDを非表示/違反報告)
彩葉雪弥(プロフ) - ラハルさん» いえいえ!大丈夫です!わざわざ言ってくださる事に感謝したいくらいです…!更新頑張るのでよろしくお願いします。 (2016年8月7日 23時) (レス) id: 9120b3fe98 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彩葉雪弥 | 作成日時:2016年8月5日 1時

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