血濡れの京人形は武道の姉！！ 参！

掴み取った幸せ ページ47

三「ヒナちゃんは良い奥さんになると思うよ。」
貴「ホントホント。もうグウの音も出ないほど値切られたわ。」
三「お前がヒナちゃんに甘いせいでもあるってこと、忘れんなよ？」
貴「すいません。反省しております。」

ここは三ツ谷くんの仕事場。
姉ちゃんのコネを使って、静かだけど設備がしっかりしている場所を安く使わせてもらっているそうだ。

貴「いやーー、ついにヒナが私たちの義妹になるなんてカンドーだよ！」
三「ハハッ。京の奴、もうお前らの生活用品も準備してやがんの。ホンットどっから仕入れてくんだよ。」

うわーーー・・・俺もついに結婚か・・・。
俺は相変わらずDVDビデオ店に勤めていた。全然変わってない。まぁ店長に格上げされてたのは変わったけど、性格が捻くれた元店長も健在だった。「使えない上司」って・・・。
でも、部屋はもうボロアパートではなかった。それも姉ちゃんのチカラである。

「ハハハッ！姉ちゃんも良い奥さんになるだろうね！」

姉ちゃんは三ツ谷くんと結婚するんだろう。
大好きな姉ちゃん。俺だけの姉ちゃん。でも、もう俺は子供じゃないし、ヒナがいる。
覚悟はできている。

三「ホントだよ。仕事も手伝ってくれるし、家事もしてくれるし、でも時々甘えてくるとこもあるし、最高の嫁だよ。」
貴「・・・ホンット恥ずかしいこと平気で言いやがんなテメェ。」

「・・・え？」

もしかして二人って・・・

貴「言ってなかったね、武道。
私はもう花垣じゃなくて、三ツ谷京だよ。」
三「もしかして忘れてた？いや忘れたかった？
お前、俺が京を貰いたいって挨拶しに行ったとき、大号泣だったしな。」
貴「そーそ！「ね”え”ち”ゃんをおね”か”いち”まふ！！」って！！」
三「無駄に再現力高い演技すんなよ。」

結婚してんの？！？！

「え、でも指輪してないじゃん！！」
三「あーー普段はしてないんだわ。仕事で傷付けたくないし。」
貴「お出かけん時は付けてんだけどね。」
「嘘だぁーーーーー！！」
三、貴「「嘘じゃねぇよ。」」

アルバムを貸してもらった。
ウェデイングドレスを着た姉ちゃんと、タキシードを着た三ツ谷くん。どっちも自分たちで作ったらしい。

俺の知らない間に・・・！
何やってんだよ過去の俺！結局は俺か・・・。

(まぁ、いっか。)

今は、この瞬間の幸せを―――

〚end〛

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