血濡れの京人形は武道の姉！！ 参！

死よりも残酷な結果 ページ33

結果から言うと、姉ちゃんは手術を受けた末、助かった。
でもそれは、決して喜べるものではなく、

　もう二度と目を覚ますことはないでしょう
　一命を取り留めたこと事態が奇跡なぐらいです

猛スピードのバイクに乗って鉄バットで殴ってこられたのだ。そもそも受けていい攻撃ではない。死ぬのが普通だ。死ななかったのは、姉ちゃんが頑丈なだけの話。
わかってはいる。でも、一命を取り留めたことが奇跡、だなんて言う医者の顔面にこぶしを叩き込んでやりたい衝動に襲われたのもまた事実で。

もう二度と目を覚ますことはない
それは、生きているにもかかわらず、死ぬことだけを待つしかないのだということ。
姉ちゃんは、もう二度と美味しいものを食べることも、どこかに出かけることも、愛してる人と話すこともできないんだ。

こんな残酷なことがあってたまるか

チッチッチッ、と病室の時計が大きく響く。
病室には、沢山の機械や管をつけられた姉ちゃんが横たわっている。
その横には特攻服を身に纏った三ツ谷くん。姉ちゃんのことを知らせて真っ先に来てもらった人。車椅子も使わず、よろけながらもここに来てくれた。
俺は、それを病室の入り口で見つめる。

重苦しい空間で、やっとのことで三ツ谷くんの口から出てきた言葉。

三「なんだよ？コレ・・・。」

とてもそれ以上見ている気になれず、俺は病室から離れた。

待合室では、泣きじゃくるエマちゃんに、エマちゃんを抱き寄せながら体を震わせ涙を流すドラケンくん。そして、虚ろな目をしたマイキー君。

俺が・・・なんとかしないと・・・！

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黒「稀咲。替え玉を出頭させた。これでお前が捕まることはない。」
稀「お前、何言ってんだ？俺が何したのかわかってんのか？」

そうだ。稀咲は、イザナが好意を寄せている京を傷つけたのだ。それなのに平然と話しかけてきている。

黒「うん。もし京がそれで死んでたら、迷わずお前をそこから突き落としたよ。
でもお前は、むしろ状況を良くしてくれた。
京さ、もう目覚めることはないんだって。それって、もう誰かの助けナシでは生きられないってこと・・・。
だから、俺の傍に置く。俺ナシじゃ生きられないようにする。
病院から連れ出しさえすれば、京はもう俺だけのものだ。」

歪んでいる。それはもう好意ではなく執着だ。
それを否定しない稀咲も、「愛」についての考え方がどこか歪んでいた。

愛故の憎悪→←当たり前になるはずだった

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