最悪の時代 ページ19
パチリと目が覚め、ゆっくりと起き上がる。
(あぁ。「アイツ」は、もう行ったんだな。)
昨夜まではあった隣にいた存在が今は消えているとわかってホッとした。
今日も今日とて、最低な一日の始まりだ
部屋に設置されているバスルームでベタベタした体を洗い、
床に放られていた下着とシルクのパジャマを身につける。
用意されている朝食を泥を舐めるような気分で口に入れ、相変わらず全部は食べきれなかった。
今度やるのはストレッチや上体起こし、腕立て伏せだ。運動している間だけは、この体は私のものだと思える。
部屋に運ばれた昼食を、これまた最低な気分で口に入れる。これも余らせてしまった。
それが終わったら、もうやることは特にない。部屋にある本やテレビをボーッと見るのが定石。
まるで生ける屍
もしくは家畜だ
いつからこうなっちゃったんだろ・・・。
武道が東卍を抜けた頃、私は早々に家を出た。「アイツ」に言われたからだ。
他のみんなは東卍の幹部という肩書だけを与えられ、その実、稀咲に汚いことをやらされている。
私はというと、「アイツ」に監 禁され、もう何年もここから出ていない。
最初はまだマシだった。東卍の幹部はここに出入りできるから、みんながいたから。
でも、カズが殺されたと知らされ、パーちんとペーヤンが来なくなり、千冬が来なくなり、八戒が来なくなり、圭介とケン坊が来なくなった。万次郎は元々来てくれやしなかった。
気が狂いそうだ
ガチャ
扉が開いた。
もうここに出入りしてくる奴といえば、「アイツ」と・・・、
三「久しぶりだな、京。」
コイツくらいだ。
ーーーーーーーー
持ってきた雑炊を京に食わせる。何だか、子鳥に飯を与える親鳥になった気分だ。
京、また痩せたな・・・。
俺が持ってきたものは全部食ってくれるが、それ以外は知らない。
食器を片付け、京に向き直る。
「俺、マイキーに呼び出しされたわ。」
京の肩がビクリと震える。何にも言わないけど。一虎が死んだと知らせてそれ以来、こいつはまともに口が利けなくなってしまったのだ。元々この監 禁生活に気を滅入らせていたし。
マイキーに呼び出された。それは即ち「死」を表す。
不思議と怖くはなかった。だって俺の命はマイキーの預けたのだから。
ただ、心残りがあるとすれば、今はもう縁を切った家族のことと、
あの時の返事を京から聞かされてないこと、だろうな・・・。
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未雪姫 - なんて神作作ってくれちゃったんですか⁈ありがとうございます、後世に語り繋ぎます。 (6月13日 21時) (レス) @page48 id: 2caf6a868c (このIDを非表示/違反報告)
朝はパンよりご飯派 - うぅ殴り潰したい程素敵なハッピーエンド途中感動で涙が、、、うぅ本当にお疲れ様でしダァ(´;Д;`) (2022年8月23日 1時) (レス) @page48 id: 913863b25c (このIDを非表示/違反報告)
Yona - ああああああ!!!素晴らしいハッピーエンドだぁぁ!!神作品ありがとうございます!本誌もこんなだったらいいのにー!わー!!(語彙力低下中) (2022年8月13日 14時) (レス) @page48 id: ca15e254da (このIDを非表示/違反報告)
Ⓜ︎さん - 完璧なハッピーエンド!感動です!!お幸せに! (2022年8月12日 17時) (レス) @page46 id: a6ddf4ad2b (このIDを非表示/違反報告)
シオン(プロフ) - やっはり、場地さんもかぁ。京さんやだよぉ〜 (2022年8月10日 19時) (レス) @page36 id: 1c08a873e8 (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時:2022年8月1日 20時