続き。。。。。。。。 ページ40
.
「あぁ、合点がいった。」
「へ、」
「小娘、貴様俺の伴侶となれ」
いやなんでそうなる。
「宿儺が好いているのは私じゃなくて前世でしょ」
胸を突かれた感触が、宿儺の近くに居続ける事でより鮮明に思い出される。死の恐怖はあれど、生の恐怖には劣っていたあの時。
「貴様はまだ塗りかけの先祖返りだ。
だがそれも時間の問題だろう。」
「呪術を使うごとに前世の呪力と術式に塗り替えられる。」
彼と話していると、嫌でも思い出してしまう。彼が求めているのは前世の私。
「この人殺しが」
「夫を、あの人を返してよ!!」
子供を殺そうとしたのに、あなたは助けようとしなかったよね。
「アンタなんか、産むんじゃなかった」
人に世話を押し付けて何を言うのか。
「死んでも誰も困らない。」
困ってもらう為に、こうして呪術師になったんだよ。
「貴様なんぞ、
あの化け物を殺す道具でしかない。」
あぁ。だから、死んでやった。
息もできない世界から逃げるために。
彼等の願い通りに事が進まぬように。
困らないのなら別にいいだろう。死んでも。
「おい。貴様は俺と話しているのだろう。」
「稚拙な怨霊風情の言葉に耳を傾けるな。」
＿＿＿＿＿バツンッ!!!
耳元で囁くような、人間の声が破裂するような音と共に静まった。
「っ、……ハァッ………は、っ…！？」
いつの間にか無意識に止めていた呼吸を、水を得た魚のように口をハクハクとさせながら酸素を取り込み、二酸化炭素を吐き出す。
「……脆い。弱過ぎる。」
「いいか。噛み砕いて説明してやろう。」
「貴様の前世を好いていたのは不愉快だが認めてやる。だが、今、俺が求めているのは貴様だ、小娘。」
「先祖返りとなれと言っているのは呪力と術式を取り戻せということだ。今の貴様には雀の涙ほどの呪力しかない。呪具の扱いは上達しているが、ただそれだけだ。」
「生憎、俺には死人に興味は無い。」
「俺を楽しませる為だけに力を取り戻せ。」
「……最後に、貴様の前世を好いていると言ったが、貴様にも似た感情を持っている。」
「あの五条とかいう男と話す貴様を見ると吐き気がする。俺以外に笑いかけるな。話しかけるな。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はみ゜(プロフ) - みゅーじっくさん» お好きにどうぞ〜!!使用する事をコメントに残していただければ、許可云々を求めなくても大丈夫ですよ！ありがとうございます！！ (2020年11月12日 22時) (
レス) id: edbe22807d (このIDを非表示/違反報告)
みゅーじっく - こんにちは！ユニーク魔法の「あやつり人形」を私が今書いている小説内で使用してもよろしいでしょうか？ (2020年11月12日 19時) (レス) id: 4369581b15 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：はみ゜ | 作成日時：2020年9月15日 8時
