続き。 ページ25
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とある村に、それはそれは美しい少女が居りました。
童話のかぐや姫の如く、月から堕ちてきたと言われても誰も疑わない程に男共を魅了し、華族の者であっても魅了してしまう少女は屋敷の中から外に出ることは無かった。
外に出てしまえば、求婚を断られた男共の家臣により攫われてしまうからです。
ある日の事でした。
少女の家族とその家臣は少女が外の世界を見ずに世を去るのは哀れであると言い、厳重な警備の元、彼女を散歩に外に出すことにしたのです。
[あれは何という花なの?]
少女は家臣に聞いた。
[あれは百合にございます。
花言葉に、“純潔”“無垢”と言った意味を持ちます。お嬢様を表すか如くの花でございます。]
[百合…随分と大きな花弁を持つのね。]
ではあの花は?
別の花を指さして少女はもう一度家臣に聞いた。
[あれは
花言葉に“愛の訪れ”“知的な装い”を持ちます。]
こちらもお嬢様を表すかの如く、美しくも威厳を持つ花にございますね。
家臣は嬉しそうにそう言った。
[愛、ね。私に誰かを愛する事が出来るのはいつになるのかしら]
[きっと、愛する者はできましょう。お嬢様はご両親を始めとした、家臣の我らに愛されているのですから。
容姿だけを見る男共以外にも、お嬢様を見てくれる男は居ります。我々のように。]
[……ありがとう。少し気が楽になった。]
[勿体無きお言葉にございます。お嬢様の喜びは我らの喜びも同義、共に心から愛せる男を待ちましょう。]
そろそろお時間です。お屋敷に戻りましょう。そう言って少女の手を引く家臣。
[ここらの道は足元に気をつけなければなりませぬ故、御無礼をお許しくださいませ]
[うむ。]
そう言って少女と家臣、検非違使と同等級の警備兵らは屋敷へと足を進めましたが、ここでとある問題が起きたのです。
[物の怪が現れたぞ___!!]
[頭は二つ、腕が四本持つ物の怪である!!]
頭の回りが早い者らは直ぐに情報共有のために声を荒らげ、少女を守る者と物の怪討伐とで人を分けたのです。
[お嬢様、私の傍を離れてはなりませ…___]
ゴトリ。
家臣の首が落ちました。
[お嬢様をお守りせ…___]
ゴトリ。
兵の首が落ちました。
ゴトリ。ゴトリ。
少女を除いた者らは、血を吹き出しながら首を落としていきました。
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はみ゜(プロフ) - みゅーじっくさん» お好きにどうぞ〜!!使用する事をコメントに残していただければ、許可云々を求めなくても大丈夫ですよ!ありがとうございます!! (2020年11月12日 22時) (レス) id: edbe22807d (このIDを非表示/違反報告)
みゅーじっく - こんにちは!ユニーク魔法の「あやつり人形」を私が今書いている小説内で使用してもよろしいでしょうか? (2020年11月12日 19時) (レス) id: 4369581b15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はみ゜ | 作成日時:2020年9月15日 8時