___雨後の筍 ページ36
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『めぐっ…………あっ…そこ…………』
目「まって、ぁ………」
『いいかん…………じ…………ッ…………ぁっ』
目「ん…」
目「はい、取れた」
机の下に落ちてしまったテープのりを、指の長い目黒くんにお願いして取ってもらったところ。
『ありがと』
深「やらしすぎだわ!!」
すかさず深澤くんからツッコミが入る。
営業課に異動してからも謎な仕事は続いた。
中身の分からない封筒を指定のエリアへポスティング。
世帯数分ピッタリなのでやたらむやみに開けられない。なんとももどかしい状況。
何かを売るってよりはポスティングの仕事ばっかりで、
湿気の嫌なカンジとだんだん暑くなってくるこの絶妙な時期に地味な外回りをしているわけで。
文句1つ言わずに働く岩本くんとは裏腹に、常に何か悪態をついていないと気が済まない深澤くんと、猪突猛進型で一度火がついたら消火活動に時間をかなり要する目黒くんと一緒に何だかんだ上手くやっている。
もちろんあの写真はわたしの携帯の中。
そんな簡単に見つかるわけがなく、ただ日が過ぎていくだけ。
『ねぇ、この作業終わったらお昼行かない?』
営業課になって良かったと思うのは、昼食時間の完全自由化だ。
前は摂る時間が決まっていたから大変だったけど、今は自分の仕事に合わせて好きな時間に摂れるのでありがたい。
だからわたしはだいたいこの中の誰かを誘ってお昼へ行く。
岩「あ、俺行けるよ。ちょーど終わるし」
私語を一切話さず作業していた岩本くんが口を開く。
深澤くんはまだまだだし、目黒くんはそもそも聞こえていないっぽい。この人たまに突然耳が遠くなるから怖い。
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岩本くんの食べる顔ってほんとすき。
可愛いし、美味しいです!って顔に書いてあって…
そして必ずデザートをセットにするのよね。
この顔と体格からは想像できないスイーツ男子…
ギャップがまたかわいいです。はい。
岩「見すぎだから(笑)」
指摘されるくらいガン見。
『そういえば、岩本くんは姫さんのことどう思ってたの?』
突然話題を振ってみると少しだけ動揺したみたいで、パスタを巻いていたフォークが微かに揺れた。
岩「どうって……んー」
岩「支え だったな」
カシャンとフォークを置いて、一呼吸。
わたしもそれに合わせて呼吸を整える。
『また会いたいって思う?』
岩「……思わないって言ったら嘘になるね」
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ふ - 待ってました♪これからも、他にないStoryと展開を楽しみにしてます!! (2020年10月1日 15時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - 新作楽しみにしていました!前作と繋がっていたりと前作ロスになっていた私には嬉しい作品です(笑)すぐにお気に入り追加、高評価しちゃいました…!みつまめ様の作品がまた読めて幸せです…! (2020年10月1日 0時) (レス) id: 11d68bb805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みつまめ | 作成日時:2020年9月29日 16時