___地団駄を踏む ページ31
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田「でさ、酒臭いけどもしかして飲んでた？」
『そー。毎週金曜日は元Snow Manのみなさんと飲み会してんの！』
田「元(笑)」
おかわりのコーヒーを飲みながらケタケタ笑う樹くんを見て少しだけほっこりする。
田「大丈夫なの？探してんじゃない？
なんも言わずに出てきたんでしょ」
樹くんは人の心を読むのが上手いな。いや、わたしが単にバレバレな行動しているだけか。
『……別にいい。なんか腹立ったから出てきただけだし、ほとぼり冷めたら帰る』
机にマグカップを置いて許可を得てないのに樹くんの部屋を物色し始める。そうでもしないとなんか落ち着かなくて。
いろんな資料や雑誌が置いてある中に、ひとつの写真を見つけた。
Snow ManとSixTONESが肩を組んで写っている写真。
『これ、いつ？』
田「デビューした時だね、ほら見て うちの慎太郎が半目なのよ」
『めっちゃ面白いじゃんｗｗｗｗあーこの子が慎太郎くんって言うんだね。名前と顔が一致してない人いてさ〜』
みんなが白い歯を見せて笑う姿はなんとも愛らしくて、そんな中に居て愛されたAさんを更にまた憎らしく思えた。
田「この頃は全て上手くいってると思ってたんだけどね」
写真をわたしの手から取って、そっと裏返しにして置く。
『見つかるといーね』
それだけ言って、お邪魔しましたと頭を下げて急ぎ足で玄関へ向かうと腕を取られた。
田「待ってよ。送るからさ！」
『いいよ別に大丈夫(笑)1人で帰りたい気分なの』
田「もう夜中2時だべ？そんな深夜に女の子1人で歩かせる訳にはいかないっしょ」
そう言って近くに放ったらかしてあったジャケットを着ると一緒に外へ出て帰り道を歩いてくれた。
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寮の前に着いて上を見上げると、わたしの部屋の電気だけ煌々とついている。
まだみんな起きてんのか、それとも全員寝落ちしてそのままなのか。
田「俺はね、姫を探そうだなんて思ってないのよ」
別れ際にぼそっと樹くんが言葉を漏らす。
『どうして？樹くんだって、会いたいんじゃないの？』
田「追えば追うほど遠くなって、引けば引くほど近くなる。姫と俺たちの関係ってたぶんそういう感じな気がする。だからね、俺は探すってより 待つかな」
んじゃね〜と手をヒラヒラさせて帰っていく樹くんの背中を、ひたすら睨みつけることしか出来なかった。
結局こいつも、
あの女が忘れられないんだ。
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ふ - 待ってました♪これからも、他にないStoryと展開を楽しみにしてます!! (2020年10月1日 15時) (
レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - 新作楽しみにしていました！前作と繋がっていたりと前作ロスになっていた私には嬉しい作品です(笑)すぐにお気に入り追加、高評価しちゃいました…！みつまめ様の作品がまた読めて幸せです…！ (2020年10月1日 0時) (レス) id: 11d68bb805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みつまめ | 作成日時：2020年9月29日 16時
