___坊主憎けりゃ袈裟まで憎い ページ22
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深「いやーほんっとにありがとう!虫に強いぺこりんのおかげで無事終われました!!」
ビール片手に意気揚々と喋る深澤くん。
『うん、本当に迷惑だった』
深「そんなこと言わないでよ!ストレートすぎ!
はいカンパーイ!」
なから強引に乾杯されて、持ってたレモンサワーに口を付ける。
苦くて酸っぱい味が口に広がる。
お酒が進めば進むほど、今日の出来事がモヤついて仕方ない。
搔き消すように飲み進めれば、何も知らない深澤くんはわたしを煽る。
深「飲みっぷりよすぎない?大丈夫?って言いながらどんどん飲ませてる俺、悪いヤツだよな(笑)」
日本酒をなみなみとついでおいて何言ってんだか。
『深澤くんのせいだよ(笑)』
それとなくぶつけてみても、深澤くんが気付く気配は無い。
『深澤くんの尋ね人、何処にいるんだろうね?』
すっかり出来上がってしまった。
もう何を言っても許される、そう思った。
深「さあな〜どこだろうねぇ」
氷しか入っていないグラスをカラカラとマドラーで回す。
あの日ベランダで話した雰囲気と似てる。
『探してる?今も』
深「それとなくね。外出たついでにちょっと遠回りしてみたり、退社してからぐるっと大回りしてみたりさ」
『遠回りだの大回りだの、ただの寄り道じゃん(笑)』
深「ちげーしっ!迷子の深澤くんだし!」
何それ笑う。迷子って何歳だよ。
『そういえばさ、深澤くんってわたしのこと下の名前で絶対呼ばないよね。他のみんなはちゃん付けなのにさ。なんで?』
深「……恥ずかしいの!だし、俺だけぺこりんって呼んでるの特別感あるじゃん?」
一瞬、ほんとに一瞬だけど沈黙があった。
『特別感とか要らないし恥ずかしさも捨てて欲しい』
深「超冷静に突っ込まれて何も言えない深澤くん、とりあえず飲みまーす」
そう言ってわたしのおちょこで残っている日本酒を一気飲みした。
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ふ - 待ってました♪これからも、他にないStoryと展開を楽しみにしてます!! (2020年10月1日 15時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - 新作楽しみにしていました!前作と繋がっていたりと前作ロスになっていた私には嬉しい作品です(笑)すぐにお気に入り追加、高評価しちゃいました…!みつまめ様の作品がまた読めて幸せです…! (2020年10月1日 0時) (レス) id: 11d68bb805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みつまめ | 作成日時:2020年9月29日 16時