___ 生き馬の目を抜く ページ29
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『深澤くん、諦める様子全く無さそうだけど』
夜風に少し身震いをすると、部屋からブランケットを持ってきてくれて掛けてくれる。
『ごめん……ありがと』
目「早く諦めて貰わないと困るんだよねぇ」
『目黒くん やっぱわたし協力出来…』
目「ふっかさんのこと助けてあげたいってちょっとは思ってるでしょ」
図星を突かれて何も言えない。
思ったよ?しかも、それだけじゃない。憎いとも思ってしまった。
会ったことも見たことも無いその人に。
目「ねぇ、どうしてふっかさんがAちゃんのこと下の名前で呼ばないか知ってる?」
それ、わたしがずっと気になってたこと!
『えっなになに?』
少し食い気味になる。
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目「ふっかさんと俺が探してる子も、Aちゃんって言うんだよ」
目の前が真っ暗になった。
同じ名前?
だから呼ぶのが嫌だった?
……いや、違う。
その子に会える日まで取っといてあるんだ、Aって言葉を。
『知らな……かった』
目「俺はこれを運命だと思ってる。だから早く探し出して、ふっかさんより先に俺が」
『ねぇ』
強い嫉妬心と、悔しさが込み上げてくる。
ちょっとした時に必ず出るその人の話題、
どこかでみんなが気にしているその人の存在、
全てがうざったい。
わたしなんて所詮同じ会社の同期。
それ以上でもそれ以下でもない。
でもその人は……みんなにとってかけがえのない存在。
羨ましい。
あぁ、なんて羨ましいんだろう。
わたしだってそうなりたい。
ワタシモスカレタイ
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『ちょっと出掛けてくる』
ほんのちょっとの衝動と、少しの勇気。
あと大切なのは勢い、その場の感情。
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ふ - 待ってました♪これからも、他にないStoryと展開を楽しみにしてます!! (2020年10月1日 15時) (レス) id: 3ae47a3069 (このIDを非表示/違反報告)
菫(プロフ) - 新作楽しみにしていました!前作と繋がっていたりと前作ロスになっていた私には嬉しい作品です(笑)すぐにお気に入り追加、高評価しちゃいました…!みつまめ様の作品がまた読めて幸せです…! (2020年10月1日 0時) (レス) id: 11d68bb805 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みつまめ | 作成日時:2020年9月29日 16時