○ . 無理させて。…ください ページ6
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『ここに書いてあること……本当…なの?』
涙で視界が潤む。
ふっかの背中は震えてて、握っている手紙をぐしゃりと潰す。
深「そんなの…本人に直接聞かなきゃ分かんねぇだろ」
おもむろに携帯を取り出す。その《本人》に電話を掛けるのかな…
深「……もしもし、舘さん?」
電話を掛けた相手はだてさんだった。
しばらく話し込んでから通話を切り、また誰かに電話を掛ける。
ひとり、またひとり。
4人目まで電話を掛け終えるとふうっとため息をついて携帯を置いた。
深「…樹の部屋、行っててもらっていい?」
『あ、うん、…』
深「すぐは終わんないかも」
それは樹くんの部屋に泊まれってこと?
川の字事件以来だな、なんて呑気に考えて。…いる場合じゃないな。
最悪、明日の朝までかかったとしてもリモートワークならどこでも出来るし。まぁ樹くんに迷惑かけちゃうけど。
最低限の荷物を持ってすぐ樹くんの部屋へお邪魔した。
.
.
『ごめん急に。家出少女なう』
樹「なうじゃねえよ…(笑)ふっかと喧嘩?」
幸いなことに樹くんは寝起きだったみたいでバッチリ御在宅していた。
『喧嘩ならまだよかったかな』
うん、喧嘩ならまだいいんだ。
わたしとふっかが喧嘩しても ものの数分で仲直り出来る自信がある。
でも今回ばかりは…数分どころか…
樹「深刻?…話聞くよ」
そう言うとわたしの手をひいて部屋の奥に連れて行かれた。
『……今日、変な封筒が届いたの』
用意してもらったコーヒーを飲みながら、出来事をひとつひとつ話していく。
『ふっかが帰ってきてその封筒開けて、』
樹「うん」
『で』
手が震える。話せない。切なくて、苦しくて、
我慢していた涙がポタポタと太ももに垂れる。
シミがどんどん広がる。
樹「無理すんな」
『無理させて。…ください』
呼吸を整えて、腕で涙をぐいっと拭った。
『ひーくんの……ことで…』
そこから先、どういう順番で何を言ったか全然覚えてない。
全て話し終えて顔を上げると、対照的に樹くんは下を向いたっきりになっていた。
封筒に入っていたものは ひーくんの記事とそれに関する写真だった。
宅配員を装った人間は記者なのか、なんなのか。
家バレは置いといて、どうして事務所ではなくふっかの家に置いていったのか。
いやこの際それはどうでもいい。
この記事が掲載されたら
……彼らはどうなるの?
○ . 明けない夜ってマジでないのな。→←○ . 不気味で気持ち悪い
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まいたけ - 最後はよく分かりませんでしたが、面白かったです。お疲れ様でした! (2021年1月23日 22時) (レス) id: ced7731a7e (このIDを非表示/違反報告)
ゆとり(プロフ) - 期待を裏切るED!わくわくハッピーなお話がたくさんある中、わたしの中ではかなり衝撃的でした!完走お疲れ様です! (2020年12月30日 20時) (レス) id: 71fcf47086 (このIDを非表示/違反報告)
みつまめ(プロフ) - 01uさん» ありがとうございました!もう、まさかすぎますよね(笑)ちょっとリアルな感じにしてみました…読んで頂き感謝です☆次作もよろしくお願いします! (2020年9月26日 0時) (レス) id: 762841ce41 (このIDを非表示/違反報告)
01u(プロフ) - お疲れ様でした〜! まさかのバッドエンド……!でもいい意味でも期待を裏切られたというか、納得してしまいました!笑 また新作の方楽しみにしております♪ (2020年9月22日 6時) (レス) id: ba7cb065f4 (このIDを非表示/違反報告)
みつまめ(プロフ) - SACHIさん» ありがとうございます!!ワクワクして頂けたようでよかったです(*´ω`*)もうオチがバットエンド過ぎて申し訳ないです(泣)(泣)(泣)ほんとにほんとにありがとうございましたっ!! (2020年9月21日 2時) (レス) id: b15db45e85 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みつまめ | 作成日時:2020年8月28日 23時