わたしはテレビを見ない。３

○ . このまま忘れればどれだけ楽か ページ20

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何もかも中途半端に終わった。

あべちゃんとはあれ以来会ってないままだし、
蓮にはそもそも新居の場所を教えてない。
あの日を境に連絡を取る事をやめた。
それはふっかも一緒で。


こーじに言われた「照くんのこと、支えてやってや」も守れてない。
わたしが関わると余計にめんどくさいことになる。
…それなら身を引いた方がいい。




テレビ台にアクリルスタンドを並べたり、
本棚に雑誌を収納したりする度に悲しさが増した。

初めて出会った日の泥酔写真を現像したのでそれも一緒に並べる。




切ないなぁ。



こんなことになるなら、出会わなきゃよかった？
潔く出ていったくせに連絡先だけは消せない。

だてさん、
しょっぴー、
ラウちゃん、
こーじ、
さっくん、

なーんにも言わずに勝手にバイバイしちゃった。




蓮の愛が重いとか、ふっかが家政婦みたいな扱いしてくるとか、
今となっては贅沢な悩みだったな。
ファンの子達からしたらこんなの嬉しくて楽しくて羨ましくて仕方ないだろうな。

サマパラ後の事故、病院にみんな押しかけてきた時のことをふと思い出す。
ふっかワンワン泣いてたなぁ。
樹くんにまで迷惑かけちゃった。
公演後によくあべちゃん来てたな〜
蓮も。ひーくんもね。

だてさんのお料理教室、楽しかったなぁ…
あのおかげで女子力上がった。
これでどこへ嫁行っても恥ずかしくない。
レパートリー少ないけど…ないよりマシ。笑

海人に偶然出くわしたときのことがもうずっと前のよう。
なんだ、わたしジャニーズに既に出会ってたんだって。
ツンケンしてたくせに、素直な海人に成長してたなぁ。





思い出せば思い出すほど気持ちは溢れてくるばかり。






『バカだなぁ』





気持ちだけじゃなくて、涙も溢れてきた。
ボタボタ落ちてはズボンに滲む。
ハンカチもティッシュもない、ひたすら流れるだけ。




時間ばかりが過ぎていく。
このまま忘れればどれだけ楽か。




記憶とは残酷なもので、なかなか忘れさせてくれない。




ふっか達はきっと、これから先もっと素敵な人に出会って、
わたしと過ごした時間なんて忘れちゃうんだろうな。
たった1年ちょっと、だもんなぁ…




悲しんでる場合じゃない。
前に進むと決めたんだから、それに従うしかないんだ。

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