わたしはテレビを見ない。２

○ . 芋っぽい感じに惹かれたんだよね〜 ページ47

.


わたしと海人が出会ったのは、
Snow Manと出会う約1年前。

六本木駅でタクシーに乗り込もうとした時
「相乗りいい？」って馴れ馴れしく話しかけてきたことがきっかけ。
顔立ちからしてこいつ、未成年か……？と警戒してると心を読まれたかのように「あ、俺一応成人なんで。常識はあります」って言いながらしれっと隣に乗ってきた。

常識ある人はこんなことしないと思うんだけどな〜
行き先を告げないまま出発するし……どこまで乗るんだよ…


しばらく無言の車内、気まずさの沈黙を破ったのはわたし。

『もう一台待てなかったわけ？』

海「あんま外うろついてんの見られたくなかったから」

誰かに追われてんの？と言いかけたところで
タクシーが赤信号で止まる。

海「あ、ここでいいです。はいじゃあお姉さんも降りよーう」
『は？え？あ、ちょっと待って？！』

タクシー、1メーターくらいしか動いてなくない？！
初乗り運賃だけじゃん。
しかも勝手にわたしまで降ろされて。

無理やり降ろされると、余裕のある顔で笑うヤツ。

『意味分かんない、帰るわ』
海「待ってってば、俺ん家来てよ」


意味分かんない×50000000000
初対面の、推定年下のヤツに突然俺ん家来てよなんて言われる？意味不明にもほどがあるわ。


でも強く断れないわたしはこいつの家に上がってしまったわけで。


海「やっぱお姉さん連れてきてよかった」
『何で？』
海「芋っぽい感じに惹かれたんだよね〜」
『本当に失礼なヤツだね バカにしてる？』
海「してないよ！俺年上のお姉さん大好き」


大好き


その言葉にちょっとだけドキッとした。


海「あーっ、今ドキッとしたでしょ！」


そしてこいつは心の中を見透かしている。

○ . 意外と警戒心あるんだ→←○ . 知っちゃってんじゃん

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す