わたしはテレビを見ない。 (ページ40)

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○ . もうそろそろ……いいかな？ページ40

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もう何分抱きしめられてんだろう…

点滴の針がジクリと痛む。

『もうそろそろ……いいかな？』
目「あっうん、ごめん」

電話を切ってからほんとにすぐ蓮が来て、
部屋に入ってすぐわたしを抱きしめた。
ふっかより泣いてなかった。

『ほら、今日もコンサートじゃん。涙拭いて』

近くにあったティッシュを差し出す。

目「ん……そろそろ行かなきゃだ」
『今日も頑張るんだぞー！』
目「でも俺Aのことが心配で」
『アイドルなんだからそこは切り替えて』

去り際、蓮は何度もわたしの方を見て出ていった。

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入院生活は決して退屈では無かった。

コンサートの入り前や終わったあとは必ずふっかが
連絡してくれるし、
たまに樹くんがテレビ電話してくれることもあった。
これがSixTONESの皆だよって紹介してくれて、
Snow Manとは違う魅力を感じた。

蓮は空き時間に病室に来てくれた。

土屋ちゃんも仕事終わりに寄ってくれて、
たまに樹くんとのテレビ電話に参加したりして。

ああ、1人じゃなくてよかった。

何度も救われた。

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でも
蓮でもふっかでもなくて、
熱心に病室に来てくれる人はもう1人いた。

…あべちゃん。

入院してすぐこーじとあべちゃんが来てくれて、
その時にLINEを交換した。
それから毎日連絡をくれて、
蓮と時間をずらして会いに来てくれたりもした。
「今日はナンプレやろー！」とか、
「クロスワードやろー！」とか、
ひたすら頭を使うものばっか持ってくる。

退屈にはならないけどこれはこれで大変……

でもあべちゃんの気遣いが嬉しくて、
あべちゃんと過ごしている時の時間の流れ方は異常に早かった。

出会った頃の怪訝そうな顔が未だに忘れられない。

それが今じゃこんなに仲良くしてくれている。
一般人のわたしに。

阿「じゃあここのタテのカギ…何ニヤニヤしてるの？」

『あ、ううん何でもない』

今日もあべちゃんとクロスワード。

『あべちゃんってめっちゃ優しいんだね』
阿「そうかな？」
『優しいよ～こうやって頻繁に来てくれるなんて』
阿「目黒やふっかよりかは頻度低めじゃない？笑」
『あの2人は過保護なだけ！』

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阿「過保護、かぁ」