わたしはテレビを見ない。 (ページ37)

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○ . 今はそういうの関係ないからページ37

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目が覚めたら白い天井。
妙に籠る呼吸、何か付けられてる感覚？
腕には針。
脚がズキズキ痛む。

手に何か温もりを感じる。

土「あっ…！目、覚めました？！」

土屋ちゃんの目が真っ赤に腫れ上がっている。
慌ててナースコールをする。

『ん……っと。これは…どういうこと？』
土「Aさん、信号無視した車にはねられたんですよ…」
『えっ？！そうなの？！？！』

大きい声を出すと肺が痛んだ。
ナースコールを受けて今の状態を確認してくれている看護師さんもビクつく。

土「たまたま休日出勤してたら……会社に電話かかってきて……はねられたって言うから……部長と課長と一緒に来たんです……」

スケジュール帳の緊急連絡先、職場にしておいてよかった…

幸いにも、命に別状はなく。

痛むところはあるけど普通に元気な自分にびっくりしてる。

『よく寝た…って感じなんだけど』
土「めっちゃ心配したんですよ？！？！」
『あちこち痛いけどね。自分の生命力あっぱれだわ。
わざわざありがとね……退院したらご飯ご馳走するから！』
土「高い店予約しときますね！」
『図々しい！！』

なんてやりとりしてると、傷だらけのスマホが鳴る。
時間を見ればもう真夜中。
こりゃ土屋ちゃんに申し訳ないことした……

土「今日代休なんで大丈夫ですからね、わたしのことは心配しないで下さい」
『優しい…いい後輩持ったわ』

なんかめちゃくちゃふっかから不在着信きてるし、
蓮からも怒涛のLINEが。
今もふっかから電話がかかってきてる。
はー、今出れんよなぁ。ましてや車にはねられたなんて言えないし。
でもこんだけかかってきてるし…

『……もしもし』
仕方なく出ることにした。
土屋ちゃんは自分のスマホを見ている。

深「家にいる？」
『残念ながらいない』
深「なあもしかして事故にあったのって」
『あ、わたし(笑)です……』
深「は？！」
『なんで事故があったの知ってるの？』
深「帰ろうとしたら通行止めになってて。人がはねられたってマネージャーが青い顔して俺らに伝えに来たからさ。目黒が返事こないってボヤいてて、まさかな、と思って。
どこの病院にいんだよ？！」
『んーとね、…って来ちゃダメだよあなた有名人なんだから』
深「今はそういうの関係ないから。教えて」
『わかったよ ○○病院ってとこ』

ﾌﾞﾁｨｯと強烈な音を立てて切れる電話。

土「有名人？なんのことですか？誰か来ます？」

『驚かないでね……』