わたしはテレビを見ない。 (ページ21)

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○ . こんなの見ちゃダメページ21

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部屋に入ると連は背中を向けて何か作業をしていた。

そっとその背中に触れると、
びくっと肩が踊る。

目「びっっ…したーーーーーーー……」
『あっごめん』

目をまんまるにしてこちらを見つめてくる蓮。
スマホを握りしめている。

『お疲れ様。すっごく良かった！！初めて見るSnow Manの姿が歌舞伎で良かった。
蓮めちゃくちゃカッコよかったよ！わたしの近くに座ってた子、泣いてた。すごいすごい、って言いながら泣いてた！』

とにかくぶっちぎりに褒め倒した。

目「ありがとう。そう言われると救われるよ」
『今何見てたの？』
目「あ、これは」

画面を覗くとわたしの心をも傷付けた掲示板。

『こんなの見ちゃダメ』

スマホを取り上げてブラウザを閉じる。

『今は目の前で楽しんでくれたお客さんのことだけ考えて。
掲示板に書き込んでいるアンチ達、今日ここに来てるわけないじゃん。ネットは自分の演技の評価を見る場所じゃない』

少し口調が強くなってしまった。
蓮は少し悲しい顔をして「そうだね」と言う。

…せっかく来たのに。

『蓮、ゆっくり休んでね。気になる気持ちも分かるけど、ほどほどにね』

予め用意しておいた差し入れを置いて帰ろうとすると、
小さい声で「待ってよ」と蓮が呟いた。

目「Aだけはどこにも行かないで」

行かないよ。

うん、と頷いて部屋を出た。

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…ドアの前にふっかとさっくんが不自然に立ってる。

『盗み聞き？趣味悪ぅ』
佐「通りがかっただけであります！！」
深「ます！！」
『じゃあなんで耳ピッタリくっつけてたの？』

2人の耳が片方ずつ赤くなってる。押し付けすぎ。
こいつら…詰めが甘い。

深「あいつ、喜んでた？」
『んーどうだろ(笑)わかんない。でもまだいろいろ気にしてたみたいだから千秋楽まではあの調子かもね』
佐「なになに？2人って付き合ってるの？」
『付き合ってないよ』

なんだぁ～、とさっくん。
そういう関係じゃないんだよなわたし達は。

深「千秋楽の日、共演した人達と打ち上げするんだけど
その後Snow Manだけで二次会やる予定なんだよ。
もしよかったらそっちに来てくれないかな？」

『うーん。考えさせて』

深「え…」
佐「お…」
『あいうえおじゃないよ(笑)』

行きたいけど、Snow Manだけの方が絶対いいだろうし
わたしなんて邪魔な気がする…

蓮もどんな顔するか分からない。

保留にしてその場を去った。