わたしはテレビを見ない。 (ページ16)

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○ . あの子は1人で立てないページ16

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目が覚めると夜中だった。

泣いてたから頭が痛い。
目も痛い。

心も痛い。

アイドルってこんなにつらい職業なんだ。

キラキラしている裏側では
たくさんの悩みや闇を抱えていて、
それでも表舞台に立つ時はそれを見せなくて。

プロ、なんだなぁ……

お風呂を済ませてベッドに入ると、
浮かんでくる記憶は蓮とのことばかり。

こういう時にLINEが出来たらな～なんて。

…実はまだ交換していない。
いい加減交換してもいいんだろうけど、
わたしがずっと断り続けている。

家に行けば蓮がいるし、合鍵もちゃっかり。

だから、切ろうと思えばいつでも切れる関係なんだ。

蓮にとって迷惑になれば消えるし、
蓮がもう大丈夫って言っても消える。

鍵を返せば、終わる。

でもまだ支えてあげないと、
あの子は1人で立てないし歩けない。

勝手にそう思ってる。

お人好しかな？
世話焼き？

いや、違う。

絶対そう。

なんて考えてると、非通知の番号から電話が掛かってきた。