わたしはテレビを見ない。 (ページ29)

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○ . たった一晩で塗り替えられたページ29

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頭の中はふっかでいっぱい。
何をしててもふっかの顔や仕草が浮かぶ。

あんなに蓮と過ごしたのに、
たった一晩で塗り替えられた。

自分の家に帰ると、ふっかがちょうど出ていくところだった。

今までもこうやって実はすれ違ってたりしたのかな。
顔合わせたことあったのかな。

『あ、ふっか』

深「よお～姫。昨日はごめんね」

頭をポリポリかきながら近寄ってくる。

『こちらこそごめん、ありがとうね』
深「覚えてる？」
『何を？』

深「俺とチューしたこと！」

でっかい声で言うもんだから思わずふっかの口を塞ぐ。

『もーーーーーー！！！うるさい！』

深「ごめん(笑)覚えてない？」
『全く覚えてないよ！どういうこと？！』
深「残念…俺は悲しいです……」

わたしは別の意味で悲しい。

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「うっさいな…ってあれ、師匠？遅いっすよ～」

言い合いしていたのがわたしとふっかの部屋の真ん中、
502の前。
その住人が鬱陶しそうに出てきた。

迷惑行為すぎたわ…

『すみません！！うるさかったですよね？！
ほんと申し訳…』

謝りながら顔を見るとこれまた見たことある顔。

深「ごめんごめん、迎えいこうと思ったら
姫と遭遇しちゃったからさ。
あ、この人田中樹ね。SixTONESの」

うっす、と樹くん。

気付かなかった。
こんなところにジャニーズが2人も住んでるなんて。

樹「つか姫ってなんですか」
深「あーそれはね？」
『ふっか説明しなくていいから。
いつから住んでるんですか？』

樹「んーと、最近引っ越してきたばっかで…って
めっちゃ冷静ですね、姫」

良いんだか悪いんだか分からないけど、
わたしはとにかく芸能及びジャニーズに疎い。
だから会ったところでキャー！とはならない。
ほんの些細なきっかけから、
Snow Manに出会ったり京本くんと出会ったり、
もうジャニーズには自分的に沢山出会ってる方だし
今更驚きはしない、かな。

深「滝沢歌舞伎、大我と来てくれたんだよなー♪」
樹「え？！うちの大我と？！」
『あ、はい、入り口がわからなくて迷ってたらたまたま』
樹「ヒョエ…」

深「あ、これから飯行くんだけど姫も行く？」
『わたしは寝不足で疲れてるからパスかな』
樹「そーなの？残念。まあお隣さんだしいつでも行けるかぁ」
『2人で行くんでしょ？楽しんできて下さいね』

鍵穴に鍵をさしてドアを開ける。
眠たい、眠たい、寝たい。

深「2人じゃないよ？目黒もいる」