わたしはテレビを見ない。

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○ . 華が欲しいからついてきてよページ1

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彼氏と別れた。
理由は「お前つまんないから」

つまんない、かぁ。

そりゃそうだよね。

スマホは連絡手段としか思ってないし、
テレビは要らないからそもそも家にない。
雑誌はゴミになるから読まない、
トレンド？そのうち廃れるから縋る必要なし。
新聞読んでりゃだいたい世の中の事は分かる。

おかげさまでわたしは情報に疎く、
流行りも追えないただの錆びた女になった。

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『今日はどこで飲もっかな～』

彼氏と別れてから、毎日仕事終わりに一杯。
テキトーに歩いて良さそうなお店に入る。
調べる事が嫌いなわたしはいつも気まぐれ。

カバンをぶらぶらさせながら歩いていると、

「おねーさん！！！」

後ろから声が聞こえる。

いや、わたしじゃないな。

「おねーーーーーさんっっっ！！！！」

えっ、わたし？

『…はい？』

「無視しないでよ～」

ちょっと小走りでこちらに駆け寄る男性が一名。

……誰？ナンパ？

「ひとり～？」
『あ、はい』
「よかった！華が欲しいからついてきてよ」

マスクにサングラス、超怪しい。

『は？』
「いーから！」
『よくない。誰？』

腕を掴んで離さない怪しい人。
抵抗する余裕もなく腕を掴まれて、
わたしまで走らされる。

警察案件じゃん……

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着いたのは繁華街から少し離れた
静かな居酒屋さんだった。