第56話『幸せな夢 スティング編3』 ページ12
累姉「自分の首を斬れば現実に帰れるわ。じゃあ・・・私はこれで・・・」
スティング「なぁ!教えてくれ!俺を喰おうとしたお前は!なんで俺を助けに現れたんだ!」
累姉「・・・ねぇ、なんで私が、アンタを捕まえたか。解る?」
スティング「え?そりゃあ・・・俺がお前らで言う稀血だったからじゃねぇの?」
累姉「それもあったわ・・・でもね」
すると累姉は涙を流しながら俺にこう言った。
累姉「アンタを好きになったからよ」
スティング「え?」
累姉「私ね・・・人間の頃から、優しい人間に会った事が無かった。鬼になった後も、変な奴(累)に捕まっちゃうし、散々だった。でも、無惨様の命令でアンタの居る世界に来た時・・・苦しんでる演技をした私に優しくしてくれたアンタに惚れたの」
スティング「・・・」
こいつ・・・人間の時から苦労してたのか。
累姉「・・・ねぇ、お願いがあるの」
スティング「なんだ?」
累姉「私に・・・アンタを殺させてくれない?」
スティング「・・・」
累姉「アンタが死ぬ所を・・・見るのも嫌だし、そんな光景から目をそむけるのも嫌なの」
スティング「・・・解った」
累姉「ありがとう」
すると累姉は俺の首に糸を巻きつけた。
俺は首を斬られる前にこう思った。
神様・・・どうか。
こいつが救われますように、と。
累姉「じゃあね」
そして俺は累姉に首を斬られた。
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