狂犬くんと狂犬ちゃん3【今日俺】 (ページ48)

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狂犬143匹ページ48

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「どういう事だよ」

『匂いで分かりません？

それ、ガソリンなんですけどね、もし貴方が今チャカをぶっぱなせば…私たちの誰かにちゃんと致命傷を負わせる可能性は100%じゃない』

「だが、お前は100%火だるまってこったぁ

さぁどうする？俺たちを撃つために火だるまになるか？」

腕力に勝てない月川さんの事だから

火だるまになる覚悟なんてないはずだ

その通りで、月川さんはゆっくりと拳銃を下ろした

「今まで奪った拳銃、全部交番に届けておくね？

ほら僕、真面目でいい子だから」

あんな顔で言われたらさぞかし腹が立つだろうな

でももう月川さんは何も発さなかった

「……二度と軟高に手ぇ出すんじゃねぇぞ」

みっちゃんはそう言い捨ててその場をあとにする

いとーくんも部屋を出る

私も出よう。いとーくんのすぐ後を追う

「Aちゃん、なんで捕まってたの！？」

今更ながらに聞かれる

事情を説明するとまた怒られた

最近怒られてばっかだなぁ

みっちゃんにもいとーくんにも

「危機感が無さすぎる！！！」と怒られる

月川さんの件もなんで話さなかったのか、と

『ごめんなさいって！！』

「「次は絶対にねぇからな！」」

『はいぃ！』

暗闇の中スっと誰かとすれ違った

『……ｯ！？』

「どうした？A」
「Aちゃん、危ないから早くおいで」

急に振り返った私に驚く2人

「あ？さっきの知り合いか？」

『いや……』

また、懐かしい忘れられない大切な匂いがした気がした