狂犬くんと狂犬ちゃん【今日俺】

狂犬13匹 ページ14

細い道を走っていくと

その先に見える灰色の制服達


あぁ、これは相良さんも居るのかな
せっかく少し仲良くなれたのに


そんな馬鹿みたいな考えを振り払って大きく開けた場所に出る


『いとーくん…』


地面に頭をつけるいとーくん

声が出ない私と違って低く鋭い声でみっちゃんは

「俺の相棒に何させてやがる」


あぁ、やっぱり軟高の三橋伊藤はかっこいい


相良さんと目が合った気がしたけど今はそれどころじゃない


飛びかかるみっちゃんを横目にいとーくんのところに駆け寄る


ありえないほど流血をしているいとーくん

こんな大怪我見たことない…


『軟高の伊藤がなにやってんの…地面にいくら美味しそうなものが埋まってても食べちゃダメじゃん…』


今泣くのは絶対私じゃないからなるべく明るく振る舞う


「はは、食べちゃった」


「A、三橋さんｯ！」

『…………京ちゃんの事離せや』


今まで聞いたことの無い私の低い声に驚く一同

今にも飛びかかりそうな私を片手で制止するみっちゃん


「はっはっはっ！！！」


あまりにもこの場に似合わない笑い声

見なくたってわかるこの笑い声

「俺を忘れてもらっちゃァ困るぜ！」

「誰だテメェ」

「えええ！？…あぁ、なるほど、強がって忘れたフリしちゃってるんですね！！」

『違うと思うよ、今井さん』

「Aさんっ」


まあそんな事より

これで闘える人が揃ったのでは？

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