隣の席の東雲くん。

お遊戯会 ページ13

*



いよいよそのお遊戯会の日。
うちは進行役だからスムーズに進めることが目標。
正直神代先輩のような演出や実際にショーをやる人達よりはやりやすいだろう。
幼稚園に来てみれば子供たちが一斉にこちらを見る。



「わあー！きょうだしものしてくれるお兄ちゃんたちだ！」



子供たちがうちらを囲み、口々になにかを喋っている。…が、みんなが一斉に喋るものだからなにを言っているのか全く聞き取れないのが現状。



『そうだよー。このお兄ちゃんたちがみんなを楽しませてくれるから楽しみにしてるんよ。』



目の前にいる女の子の頭を撫でると嬉しそうに微笑んだ。うん！と大きな返事とともにお遊戯会の準備に取り掛かる。




天馬「皆が俺の活躍を期待している＿！」



彰人「ハイハイ。先輩行きますよ。」



ズルズルと天馬先輩を引きずる東雲くんをみて思わず吹き出した。どっちが先輩なのかわからなくなる。



『そういえばみんなの私服みるの新鮮やね。青柳くんはなんかそれっぽい。』



青柳「どういうことだ？」



『うちが想像しとった通りって感じ。似合ってるね。』



青柳くんは褒められて満更でも無い様子。
なんかかわいいなあ、



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿


『それでは第27回。お遊戯会をはじめます！』



うちの進行と共にどんどんと進められる。
子供たちの演技は言うまでもなくとてもかわいい。
見てるこっちが癒される。今日来てよかったなあとひしひしと思う。


そしていよいよ3人のショーの時間。
アップテンポな音楽が鳴り響き、その中央には堂々と仁王立ちしている天馬先輩。
そして天馬先輩は……


飛んだ。




…え？飛んだ？



天馬先輩は宙で色々なポーズ(？)を決めている。
それを見て子供たちは大はしゃぎ。
東雲くんと青柳くんは天馬先輩の引き立て役…という感じだろう。後ろで2人は歌を歌っていた。



神代「どうだい？園沢くん。驚いたかい？」



『え、あ、はい。』



神代「そうだろう。フフ。これは僕が考えた演出なんだ。」



こんな演出を幼稚園でしようと考える神代先輩。
やっぱりとんでもない人だなと思った。
天馬先輩の空を飛ぶのも凄いけど、2人の歌がとても心に伝わってくる。来週にはこの歌がもっと聞けるんだ。楽しみだ。



そしてお遊戯会は見事成功した。

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