隣の席の東雲くん。

はじめまして東雲くん ページ2

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今日から神山高校に通う高校1年生。
期待と不安で胸がいっぱいになりながらも通学路を歩く。うちは元々福岡に住んでいたが父親の転勤で東京に引っ越してきた。
ちなみに父子家庭である。別に今じゃ珍しいものでもないと思う。よくある浮気というやつだ。
そんなことを考えていたら目の前に"神山高校"が。



クラス表の前に群がる人々の中に飛び込み必死に自分の名前を探す。



『(1-C…。)』



福岡から越してきたから友達作りも最初から。
…中学の子と離れるの嫌だったけど父親の転勤は仕方ない。
新しい友達ができるんだ。…でもできるかな。
そんな思考が頭の中でぐるぐると回る。



考えているうちにどうやら1-Cの教室についたようだ。教室の扉を開けて自分の席を探す。
男女混合の出席番号順になっている。
席に着くとお隣の席の人は教室の窓から外を眺めていた。



『(わぁ…見るからに派手やな…。)』



オレンジ色の髪に前髪に黄色のメッシュ。
いかにも"バンドしてます"って感じの髪色。
…髪色だけで偏見を言うのは間違いなんだけどみるからにそういう見た目だ。



まじまじと見つめていると急に振り向く彼。




「…そんなまじまじ見つめて何か用ですか？」




やっぱりバレてたんだ。
急に恥ずかしくなり一気に顔に熱が籠る。
言い訳を考えようにも焦って言葉が出てこない。



『あ、その…えっと…。』




「顔真っ赤ですよ。耳まで真っ赤。」




『…髪色、派手やなって思って見ちゃった。ごめんなさい！』




「別に大丈夫ですよ。…まあ確かに結構明るいですからね。でも園沢さん？も髪色明るいと思いますけど。」



そう言われれば私も結構髪は明るい。
…やっぱり人のこと言えないな、



『確かに…。あとなんでうちの名前…。あ、机か。改めまして園沢Aです。気軽に呼んでね。』



「東雲彰人。隣だしよろしくな。」



隣の席の東雲くんと初めて話した入学式。

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